ちょうど
干支がひと回りした今日
都合をつけて
あいつの墓前へ
今年もまた
花より団子
冷たいビールをと選び
あの頃のように
また呑みたいなあ と呟けば
なんとなく気配はし
撮れば玉響は現れて
来たことを
分かったのかと微笑んだ
呑めば必ず揉めた仲
酒癖の悪いあいつとは
譲ることなく
殴り合いまでしたけれど
それは逆に
あいつを認めていたからで
きっと
誰よりも
大事な友達だったのだろう
時代の流れか
あいつにツキはなく
落ちて行くさまを
遠くから知りながらも
きっと
僕からの救いの手だけは
断ったはずで
それでも
もしも救えたとすれば
僕だけだったかもと
訪れる度に
すまんな と言葉を呟く
もしも
次の世があるならば
今度は酒抜きで
真っ直ぐ付き合いたいと思うが
はてさて
酒があってこその あいつだから
止めてもきっと無理かもしれない
それでも
その時には
身体を正せ! と
殴ってでも
止めに入るつもりでいる
氣が付けば
軽くなってしまった持ち時間
振り返ってみれば
あいつがいたから
今があるのかもしれない
ありがとな
またね…



