その男の話は
あまりにもリアルで
また
話す度に
釣った魚のサイズも大きくなるもんで
ホラ吹き男爵とまで言われたけれど

ガキだった僕らに
命を賭けてまで
本当の冒険とはと
その膨大な
生き様を見せ付けてくれた

時折
出掛けてみる暮らしたその家は

記念館として残り

世界中から
多くのファンが訪れ
リアルに残した多くに
心震わされている



氣が付けば
6つも齢を越してしまった
この身体

もう
オマケみたいな時間に
入り込んだようだ…

開高健


あの頃
開高さんが言ってたのは

齢を取ると
若い連中に
あれこれと話をしたくなると…

でも
若者たちは
そんな年寄りの話など
聞いてはくれないと…

ならば
その為にも

あれもこれもと
経験しておけと…

すれば
若者たちも
その経験した
ヤバイ話や
エロイ話なら
喜んで聞いてくれるからと…

ではと
目の前の
氣になる あれもこれもを
今 やっておかねばなんて
首を突っ込んで来た

おかげで
その場その場で
その場だけの仲間たちが出来て
楽しませて頂いた

しかし
それにより
怪我を負い
騙されもし

時には
人を信じることさえ
出来なくもなったけれども

それ以上に
楽しかったと思っている



とうとう
そんな時分となり
つまらん話をする前に
ひとつひとつ
忘れないようにと
綴り始めたのもここで

あの頃
痛みを伴った経験が
今頃
わずかに美化されながら
現れた始めたように
書き留めるばかり

いつの間にか
僕も
そんな齢になったようだ



若者たちよ
バーチャルでは いかん!
何事も
自ら経験してこそ
本質が分かる

すれば
今回の人生は
更に楽しくもなるはずだ

失礼