朝からひとり
テレビの前

昨晩 
留守録をセットしたはずの
あの番組が撮れてない

しまった!

これはきっと
韓国の大統領が来たが為
急遽 番組が編成され
時間が変わってしまったことらしい

そんなに遅い時間ではないのに
昨今では
スポーツ以外
放送時間に観ることはなく

すべて
留守録して

後からゆっくり観ることばかり

それでも
悔しくて
なんでよ? なんて
ひとりブツブツ言ってたら

後から起きて来たカミさん
今日は予定がないの? と

そうだよ
昨日からね なんて

すれば
美術館にどう? と

内容を訊くことなく
良いよ! なんて返事をすれば

高崎なんだけど… と

えっ?
高崎? と
ちょいと厄介な返事をしてみた




すると
今月いっぱいまで
ピカソのタスペストリー? が
展示されてるそうで

まあ
それも軽く聞き流しながら
でも
遠いよね なんて

そしたら
草津の半分の距離だから
なんて

それを言われたら
ではと
準備をし
いざ 高崎美術館


高崎への道のり中
ならば
あの
観音様も観たいんだけれどと
ちょいと時間の工面を頼み

時折 通り過ぎる高崎の町から
西側の山頂をと見れば
それは大きな観音像が立ち

いつか行ってみたいと
思いながら
なが〜い時間が過ぎていた

高崎へと着くと
なんとも暑いその街は
やはり
地方都市としての整備がなされ

あれもこれもと
広くスペースがあり
また
駐車場等も無料

美術館も公立とあって
入場券は格安で
こりゃ
都会になんかいないで
地方都市へと移住するべきだと
改めて思う

さて
その美術館もまた
整備が行き届いていて
目指したその作品よりも

更に目についた
多くの絵画たち


帰り際に
案内のパンフレットを見れば

あらま!
この近くに
山田かまち美術館もある

ならば
行くでしょ! ってわけで
急ぎ足

するとそこは
観音様から降りた辺りで
では先にこちらへとって
入ってみた





ここもまた公立となっており
入場券は更に安く

また
お昼時とあってか
僕らの貸し切り状態

目の前には
多くの書籍で観た
原画が並び

奥へと進むと
事故にあった
エレキギターも展示されてある

それはまさに
当時の僕の

バッタもんのギターと同じタイプで
グレコのストラトキャスター

彼は僕と同学年で
同級生には
BOOWYの彼らがいたそうで


ビートルズに憧れ
ギターにのめり込み
不思議な音を出したくて
アンプの配線を剥き出しで

改造していたと聞く

それを真夏の暑い日に
大きな音を出せば
ご近所に迷惑がと
窓を閉め切り
汗だくでエレキを鳴らし
感電したそうだ

17歳

なんとしたことか!

そんなことがなければ
今 
どれだけ凄い作品を
残したのだろう

展示された多くの作品を
ひとつひとつ丁寧に観れば

17歳かあ と
振り返るばかり

そして
まさに同じ価値観で
同じ方向を向いていたと
改めて辛く思う

その内に
お客様も増えて


多くを説明して下さった
スタッフたちに感謝し

また来ますねと
失礼した


さてすれば
そこから観音様への道のりは
山を駆け上がるような坂道で

近づくごとに
大きく見えるそれは
それでも
いつかの
牛久の大仏ほど大きくはなく

なんと
内部を階段で
肩の位置まで登れるそうで

階段? なんて
一瞬迷ったけれど
エレベーターもなく
階段だけならば
そこそこ行ける高さなのかと
登り出してみた

この暑さゆえか
お客様はガラガラで
これまた
貸し切り状態

昭和11年に建てたそうだから
お袋と同い年

いくつかの窓が開放されているが
やはり暑い

最上階へと着き
わずかに外を覗けば

早々と帰り道

なんとなく
思い立ったように出掛けてみた
高崎の街は
そこそこ楽しく

また
まだまだ
面白い場所が沢山あるようだ



時折
通り過ぎるばかりだった街も
こうして
ぶらりしてみれば

なかなかの発見もあり
時間が許せば
これからも
氣の向くまま
ぶらりしてみようかと
思いながら…