目の前で
あいつが銃で頭を撃たれ
命を終えた
犯人は
なんと
あいつのお袋さん
いい加減にしろ!
もう限界だと
引き金を引いた
バンッ! という銃声で
目が覚めた
なんという夢だったか
寝起きが悪い
あいつというのは
30年前
僕を騙して
不動産の業界へと巻き込み
大きな負債を負わせ
逃げた男
だから
もう30年も姿を見ていないが
そんなだから
もしかすると
もうこの世にはいないのかもしれない
それが
なぜゆえ今頃
夢に現れたのか?
しかも
命を終える夢を…
まさか! とも思うが
すでに
届かない
届いたとしても
手を差し出すことはしないけれども…
騙すより
騙された方がと言うが
この人生
何度も何度も
騙されて来た
車で
土地で
女にも…
その都度
落ちた心は
何年も掛かって戻して来た
それも
そろそろ
そんなエネルギーはなく
これからは
更に氣を付けないと
もう
戻れないのだろう
もしも
あの日に戻れたならば
あれもこれもと
悩まず済んだのにと
騙されて学んだことは
数多くあり
それが逆に
糧ともなって今がある
幸せですか? と問われたら
微笑んで
幸せです! と答えるけれど
幸せの価値観も
その高さも
人それぞれならば
僕のそれは
さほど高くはなく
健康と
家族とだけで
満足出来るものなのだろう
何よりも
家族最優先でやって来た
そのご褒美は
今
孫たちと戯れていれることに
尽きるようだ
ありがとう

