先日
遅ればせながら
吉川さんの
こんな本を読んだばかり…
弟子になるか? と
談志師匠が微笑んでいる
いや
結構ですと
断る僕がいるなんでだ?
なりたかったはずだ? と
ちょいと不機嫌な師匠
遅いんですよ
もう… と返す僕
じゃあこうしよう
Cコースでどうだ?
そうだ
Aコースは 志の輔師匠たちプロ
Bコースは たけしさんたち著名人
Cコースは 一般人
いつか
煎餅屋の大将に
なんで弟子にならなかったのよ? と
訊かれたことがある
なれたんですか? と返すと
キミなら
なれたはずと微笑んでいたっけ
でも
毎月の上納金は? と問えば
ある時払いで大丈夫だよ と笑った
師匠
まことに有難いんですが
もう 冷めてしまいまして
そうか
残念だな
じゃあ
うちの娘を貰ってくれ! と
いやいや
それはもっと無理でしょう
僕が良くても
彼女は手強いですからね
いやね
その娘がね
お前さんが良いと言ってるんだよ
だから
どうだ?
えーっ!
そんなはずないでしょ!
そう思うだろ?
ところが
そうなんだ
なんなら
最初から二つ目でも良いぞ
それから
嫁に貰ってくれたら
その時には
真打ちにしよう
それで
どーだ?
いやいや
まさか!
世間に怒られますよ
なんなら
弟子が来たら
談志の名もやる!
それは
もっと無理です
なんなら…
なんなら…
なんなら…
いえ
いえ
いえ… と
頼まれ
断り
頼まれ
断り
汗をかいて
目が覚めた
今朝は
大変な夢でうなされた
あの頃
弟子にと思っていたが
ここは厄介だと聞き
また
その他でも
その道は茨で食えないよと言われ
やめた若造も
今 還暦を越した
あの日
もしも
間違って入門を許されてたならば
志の輔師匠より早い序列だったが
売れてただろうか?
いや
きっと即座に破門となっていたはずで
無理無難に耐え
理不尽に耐え
つらい修行に
我慢出来た者だけが残る世界
そりゃあ無理だわ! と
苦笑いしながら
噺す側ではなく
楽な 聴く側を選んだ
噺家になりたかったのではなく
談志の弟子になりたかったのだと
皆 口を揃えて言うのは
やはり
それだけのものがあり
後にも先にも
僕の中では
越える者は現れない
もちろん
志ん朝師匠も好きだが
ちょいと
違うんだよなあ
志の輔は
談春は
志らくは
時代の違いか
到達出来ない場所がある
不思議かな
そんな時代に
生まれちまったもんで
談志なき今
路頭に迷うわけにも行かず
ならば
まだ見ぬ若手たちかと
その中から
僕の持つ周波数に合う方々を探し
楽しんでいる
でもね
本当は
1番だったのは
三平師匠だったけれどもね…




