母親というのは
特に 息子が大事らしく
あれもこれもの手伝いに入る

迷惑そうな息子もまた
それを遮ることなく
お願いする

息子が家を出てから
なんだか
張り合いが無くなったかのような

つい先日まで
ワイシャツの
アイロンを掛けていたことも
すでに無くなり

また
朝に
起こす手間も無くなった

常に3つ並んでいた
食事の用意も
2つになった

手間は大して変わらないけれど
作る量は半減して

なるほど
これが先輩方がいつか言っていた
老後の夫婦の時間かと
苦笑いなどしてみる

ならばやはり
新たな犬くんを迎え入れて
ワイワイやりたいとも思うが

冷静に考えてみれば
また10数年が過ぎた頃
あんな悲しみが訪れたならば
後期高齢者
きっと耐えられないねと
心を戻す



いくつものことが
静かに
大きく変わって行く

仕方なくも
それに対処せねばならず
戸惑いは隠せない

とうとう
2人に戻った我が家

35年前と違うのは
エネルギーを失いつつある身体と
冒険心に溢れていたはずの心

新築だった家は痛み始め
壊れ出した部分を
補修しながらここにいる

こんなにも長く
ここにいる予定ではなかったが
ご近所に恵まれ
居心地が良かったのだろう

それでも
お世話になったご近所の方々も
世代を変えつつあり

待ってはくれない時間の中で
わずかに
置いてきぼり感は残り
振り返るばかり

巣立った子供たちもまた
今頃
あの頃の僕らのように
新たな住まいの環境の中で
多くを思っているのだろう



早かった
とにかく
時間が経つのが早かった

これからの持ち時間

大事に生きねば…