今年も
ニックさんからの
クリスマスカードが届き
いよいよかと
指折り数えてみる
この4年半
会えずとも
なんだか側にいてくれたような
そんな気配は確かにあって
やっぱり
森になったのだろう
黒姫のその森へと入れば
多くに包まれる
撮れば必ず現れる何者かたち
仕方なくも
表現するならば
やはり妖精かと言葉にしてみるが
これもまた
ニックさんからのメッセージかと
微笑んで
受け入れてみる
この冬
雪積もる森に
出掛けてみようと思っているが
白一面
静まりかえった森は
また新たな何かが迎えてくれるのかと
楽しみにしてみる
さて
あの頃ならば
海を越えて届いた
いくつものクリスマスカードを
愛おしくも思い
懐かしい顔をそこにゆだねたけれど
時代は変わり
SNSなるものは
リアルタイムですべてが届き
その便利さは
引き換えてしまった何かを
失った喪失感が残り
それでも
そんな時代かと
時差を越えて
テレビ電話で
メリークリスマス! と微笑んでみる昨今
こりゃ もしかすると
いずれ
ドラえもんのどこでもドアーのように
この身体ごと
運んでくれる時代も来るのかとすら
思ってしまうが
僕らには間に合わないのだろう
毎年
この時期にもなると
来年こそは! と予定を立ててもみるが
なかなか
その都合は付かない多くに
制限されている
最後に海の向こうのパーティーに
混ざって騒いだのは
いつだったろうか?
いつものその教会で
借り切ったショッピングモールで
宗教上
酒のないパーティーは
とても新鮮だったけれど
その賑わいはやはり本場の気配で
そこへと立ち向かった
あの日のアジアの若造は
ひとり異邦人
ツイードのジャケットを羽織り
薄い黄色のシャツに
シマのタイを締め
背伸びをして
英和辞書を懐に収め
たどたどしくも
お祝いと
お礼とを申し上げた
酒もないのに
ましてや
コーラも
コーヒーもない
そう
カフェインすら摂らない習慣は
オレンジジュースで乾杯な
思えば今
やっと時代が追い付いたような
そんな40年も先を行ってた
彼らの中
最後に
近くの異性と
キッスを! なんて
目の前には
すでに
ステディになり掛けていた
彼女が微笑んでいて
思わず
キッス!
それが決め手となり
彼女は
彼女となった
そんな思い出は
あの頃って言葉で表されて
今も鮮明にここに残っている
1983
帰りの車のラジオからは
ジョンの
ハッピークリスマスが流れ
ローカルのラジオ局のそのDJは
メリークリスマス ジョン
メリークリスマス ヨーコ と
そっと
言葉を添えていたっけ…
そうそう
この曲の出だしに
ヨーコの娘 キョーコと
ジョンの息子 ジュリアンに…
なんだか
心が揺れたっけ…
世界は今まだ
争っているけれども…



