先月
寝起きに
枕元のメモ帳にと
急いで書き留めて置いたものが
積んである雑誌の間から出て来た

ならばと
それを…




燃えている
ここはどこだ?

寺か!
本殿のようだ
本能寺と書いてある

おぬし! と
大声をあげているのは
まさか
信長か!

妙覚寺ではないのか?

いや
今夜は
本能寺にいる

敵は?

分からない!

でも
僕は知っている

光秀だ!

僕は… 誰だ?

信長の家臣か!

殿を救わねばならない




信長に敵が襲い掛かる
すかさず
僕が間に入る

すると
不思議かな
敵は後戻りする

なぜ
斬って来ない?

敵との間に
空間が出来る

バリアか?

ならば
そのバリアの中に
殿も入れてしまえば
安全かもと近づき

さあ
こちらへと手招きをし
2人でその場を脱出する

火の粉も
落ちて来る焼けた木材も
すべて
バリアが跳ね除けている

追手は
まだまだ
しつこく追って来るが

僕らは
傷ひとつない

さてどうする?

馬か?

いや
走ろう!

しかし
行手を
高い塀が立ちはだかってしまった

敵が来る
大勢 来る

思い切り
飛んでみた

すると
バリアは球体となり
ふらりと浮いた

塀を越え
町を越え
山を越え
どこかの寺に舞い降りた

敵はもう来ない

どうする?

空き寺のようだ

ならばここでと
髪を剃り
僧侶となった

もう誰も
信長だと気付かない

本能寺は焼け落ち
信長の亡骸は
見つからないと噂が届いた




球体になった瞬間
見えなくなったらしい

そうだ
オーブとなったのだ

僕は
やはりケリを付けねばと
信長が止めることを跳ね除け
光秀を討ちに

無事に戻れ! と
信長は言ったが

戻るつもりはない

山中で
息を潜め
光秀を待ち伏せしていたが

光秀は
目の前で
他の誰かに討たれてしまった

ならば
秀吉に付くか

いや
家康か

それともと
思ったところで 油断した

背後から
光秀の家臣に斬られた!

その瞬間
信長が間に入り
僕の代わりに…

殿
なぜ ここに?

お前を守らねばならんと
お告げがあった

お前は
もう少し
生きねばならない… と


突然
時空がゆがみ
時は今

僕は
妙覚寺に立っている

信長は
本能寺ではなく
僕がここに
そっと埋葬した

そんなことは
誰も知らない

歴史学者たちですらも…

それで良い
そう微笑んだところで
目が覚めた





今朝は
オーブたちに導かれ
戦国にいたようだ

明日は
どこにいるのだろうか

楽しい夢であることを
願いながら…