黒姫の森から持ち帰った
ニックさんのどんぐりは
早速
ホームセンターで土を求め
植え込んでみた
そう
ニックさんが愛した
森で1番大きなコナラの木
その
マザーツリーの下で
ニックさんは眠っている
ならば
その木の子孫を残しておきたいと
思うのが常
昨年
この国でもナラガレが多発し
それが
この森でも発見された
すぐさま
この木を守らねばと
ビニールシートで包み込み
防御した
救われたのは
ナラガレが見つかったのが
他の木であったことと
スタッフたちは
胸を撫で下ろした
1番大きな木ということは
この木の寿命もまた
1番早く訪れるかもしれない
昨今
完成した映画でも
100年後の森では
この木は枯れ落ちている
毎年
沢山のどんぐりを落とすけれども
その多くは
森の動物たちに与えられ
残ったものたちが発芽する
しかし
直後 訪れる冬と
積もる雪とに負け
ほとんどがそこまでとなる
また
それを乗り越えたものも
森の掟は
その数を許さず
消えてしまうのだろう
それでも
その大木が倒れ落ちたならば
その場所には
その代わりとなるように
わずか1本が選ばれ
育つのだろう
毎年
いくつかのどんぐりをと
持ち帰り
発芽させ
育ててみるが
なかなか
この下界の環境には合わず
失敗ばかり
昨日もまた
わずかながらの加勢をと
それらを拾い集め出すと
今年のそれらは
すでに発芽しているものばかり
そう
やはり
温暖な気候なのだろう
それも
昨年よりも
温暖なことで
発芽に至ったのだろう
さて
昨年のそれは
持ち帰った後
わずかに時間を置いてしまい
乾燥させてしまった
今年は
すでに発芽しているわけで
ならばと
森の土で包み
無事に持ち帰って来れた
目の前の冬は
土の中で耐えて
来春にはきっと
芽を出すことだろう
そして
そこそこ育った頃
黒姫へと戻すか
近くの公園へかと
迷いながら決めるのだろう
なんせ
大きく太い
大木となるわけだから…
たかが どんぐり
されど どんぐり…









