バイクで峠を攻めていても
絶対に怪我は出来ないと
攻めきれず
なのに
若い連中は
遅いよ! と
容赦なく追撃して来る
くそー! と思いながらも
お先にどーぞ! と微笑んでいると
更に
おせーよ! なんて笑っている
でも
彼らは
直後 転んでの
怪我ばかり
そう
本気なら
彼らに負けるはずはなく
家族持ち
自営の仕事持ちは
苦笑いしながら耐えて来た
リスクなき
ひとりモンの彼らは
バイクを壊し
身体も壊し
それでも
あの峠はオレが1番なんて
誇らしくもいる
そうじゃあないんだけどな と
心で呟いて
気をつけてなと
言葉だけを吐く
彼らにそれが届く時は
僕ら世代になった頃か
それとも
家族を持った頃か
いやいや
届かないまま
この世を去るのだろうか
バイクとは
特にリスクある遊び
多くの仲間たちを
失って来た
いっそ
レース場で走ったら
良いのにとも思うが
そんな技量はないらしい
♯587
還暦で
バイクを降りて3年
もうあの頃の仲間たちとは
一切 関わらなくなった
ゆえに
もう
僕の言葉は届かないが
1人も欠けることなく
老人になることを
願ってみる…

