夢というのは
思いもしなかったことばかりが
物語として進んで行く

それを
寝起きに
忘れないようにと
急いで書き込む僕がいる

今朝の夢は
なんと
タトゥーを入れてしまった夢

最後に
それを後悔などしてたのは
これで
温泉に入れないよなあ ってこと

昨今
都会を歩けば
さりげなくそれを出し
これはファッションと
アピールする若者たち

それは
すでに普通なのだと
分かっていても

仕方なくも
この国の中では
僕ら世代までは…

そう
すでに
ヤクザのイメージはないが
今まだ拒否する
温泉 サウナ プール…

多くの外国人たちを見ると
その大半は
ワンポイントのように
何かを入れ
自分を主張している

スポーツ選手たちを見れば
こんなに? ってほど
見掛ける姿

いつか我が家にステイした
アメリカ娘たちですら
帰国後
それを入れて
誇らしくも画像を送って来る

文化の違いは
今まだ残り
意味は違えどこの国では
そのファッションを
受け入れ切れていない

周囲でも
バイク仲間には多く
特にハーレー乗りたちは
イカした柄を入れ
誇らしく走り周る

僕も
ワンポイントくらいはと
わずかに思ったこともあるが

やはりこの国では
温泉に入れなくなることが
強く拒否させたのだろう

ガキの頃
銭湯へと行くと
背中一面に描かれた
カタギではない方々がいて

綺麗というよりも
なんとなく
恐い方々だと認識した

今でも温泉では
足首辺りに
何らかの文字のある
オヤジさんたちを見掛けるが
そのくらいならばと
見て見ぬフリをする

また
若い連中で
腕や肩に
大きな絆創膏を貼って
入って来るのは
タトゥーを隠しているのだろう


さて
昨晩の夢

なぜか
そんな仲間たちの中にいて

誇らしくそれを見せ合っている

隣りの若いオネエちゃんもまた
それはセンスある柄を肩に入れて

ねえ
あんたも入れたら? と微笑む

ちょいと迷っていると
彫り師の若者が
こんなのはどうかと
不死鳥の柄を薦めて来る

周りを囲むそんな連中も
それは良いねと微笑んでいる

痛くないのかと
尋ねている僕がいて

大したことないよと
皆が笑っている

ではと
ひとつだけ頼んだけれど
不思議かな
その画像を覚えていない

なーんだ
痛くないやと
調子に乗って
更にお願いした僕がいて

でも
次の柄が気に入らず
ちょっと待ってと
止めていると…

気が付けば
そこは
駅のホーム

そうだ
渋谷だ!

山手線が車両故障で止まって
動かないからと
線路にバスがやって来た


新宿行きの
それに乗り遅れてはと
急ぎ足で乗り込んでいる

僕はまだ
荷物の準備が出来ず
そのバスに乗り遅れ
ホームに残されたまま

もう誰もいない
ひとり
そのタトゥーを眺めながら

しまった
これで温泉に入れなくなったと
後悔している

そこで目が覚めた



文化は違えど
すでに
背中に大きく
和柄のそれを背負った方々は
ヤクザ映画でしか見ることが
なくなった今

若者たちは
外国人たちを真似
これはファッションだと
気楽に入れ
誇らしげに街を行く

それでも
聞けば
医療のMRIなどを
受けられなくなるそうで

現実には
リスクをも背負うことになる

もちろん
生涯 
それを入れることはないが
ちょっと
羨ましくもあるから不思議だ

時折
外国人の身体に
漢字の文字を見掛けるけれど

多くは
愛 命 神 …

それから
パートナーの名前…

でも
誰に騙されたか
便所 痴漢 馬鹿…
なんてのを
見掛けたこともある

意味を知らずに
漢字の柄で
決めてしまったのだろうが

その意味を
生涯知ることなく
生きたならば
幸せなのだろう

でね
不思議かな
夢の中での
タトゥーの値段は
なぜか
諭吉9枚もしたっけ



寝起きに
まさか! と
着替えをしながら
洗面所で肩を確認などしてると

またしても
鳳凰のような姿のオーブが
羽ばたくことなく飛んで来たのは
何かを伝えたかったのだろうか

わからない


♯542