それは時折
夢に現れるエレベーターで

そう
いつぞやか観た
綾瀬はるかの映画のような
時代を越えるもの




今いる階は
L と表示され
人々は無表情なまま
急ぎ足で通り過ぎる

きっと
ロビー階なのだろう

僕は
地下に停めた車に
忘れ物を取りにと
B2を押し
ドアが開くと
ぱふが待っていた

ぱふは言う
パパ
ここは2年前の今日

何があっても
もう過ぎたことだから
何も変えられないと

そう
この年の暮れ
ぱふを失った

ならば ぱふ
僕と地上へ行こうと
2人で乗り込んだエレベーター

10階を押してみた
そこは
何も変わらずかと外を見ると
新幹線の代わりに
リニアが走っている

そうだ
ここは東京駅の
駅前のホテルのようだ

ではと
20階へと降りてみると
そこは焼け野原

まさか!
やっちまったのかと
逃げるように
50階へ

そこは見事に復興した街で
車は空を飛び
いや
人々もまた
無重力のように飛んでいる

ではいっそ
最上階の100階ではと
扉が開くと真っ暗闇で
もうそこには
地球は無く
月がぼんやり浮かんでいる

慌てて地下のボタンを探すと
B2のボタンが無い
いや
Bは160しかない

それでもそこへと
ドアは開き

目の前には
僕が立っている

やっと来たかと話す
もう1人の僕は
お前を待っていたと微笑み

私が善次郎だ
ようこそ幕末へと笑った

そうだ
同じ姿の男だ

私によく似た男が
子孫の中から
現れる日を待っていたと

それがキミだ

すでに力は授けておいた
未来へと戻り
暴れてくれ
国を取り戻してくれ

約束通り
ぱふを戻す
ぱふにはキミを守る力を授けた

だから
思う存分やっても
キミは守られているから大丈夫

では どうしたら良いんだ!と
叫んだところで
目が覚めた



さて
こんな夢にうなされる昨今
やはり
睡眠が足りているのだろう



それとも
取り巻く見えない連中の
仕業なのだろうか

わからない