ここに越して来た頃
近所の居酒屋へと出掛けると
なんと
中学の時の友達が呑んでいて
やあ!
元気? なんて
彼は近くの会社に勤めていて
それから時折
そこで呑むことが増えた
その店は
マスターとママとの2人のご夫婦で
切り盛りされ
いつも笑顔で
楽しい時間だった
それから少しして
会社の移転で遠ざかり
わずかに時が空いた頃
彼が倒れたと聞いて
見舞いに出掛けた
かなり深刻だった中で
リハビリの甲斐もあり
復帰したけれど
すでに元のポジションはなく
早期退社し
実家へと戻って
今ではいちご農園を経営している
その後
その店は突然閉めて
時折
足の不自由そうなママを見掛けては
どうしました? と声を掛けると
転んじゃったのよ って微笑んだ
最近では
すっかりその姿を見ることなく
心配していた中で
それが本日
ちょうど外で草花の手入れをしていた時
我が家の前をマスターが通り
やあ!
元気そうで! と微笑んだ
ご無沙汰しました
最近はいかがですか? と問うと
今ね
ママの墓参りをして来た帰りだと言う
えー! と
驚き
知らなかったと嘆きながら
いつでした?
で
お寺は? と尋ね
ならば
今からと急ぎ足
遅なりましたと告げ
またしても
多くを振り返る
お彼岸とあってか
多くの花で包まれた霊園は
春の陽気にも恵まれて賑わっている
早速
手帳に書き込んだ命日
次は
5月に参ります
昨今では
毎週 どちらかで花を買い
毎週 どちらかで手を合わす
そう
毎月だったそれが
いよいよ
毎週にまで増えてしまった
還暦を越し
周りの景色が
大きく変わりつつあるようだ

