冒険家たちには
43歳という壁があって
その辺りで
命を落とすことが多いと言う



憧れた植村直己さんをはじめ
多くの登山家たちが
体力と
経験値とを
バランスに掛け挑むのだろう

そして
後から追い掛けて来る
若い連中に負けずと
わずかに無理をするのかもしれない

43歳の壁


昨晩
なぜか
植村さんが夢に現れて
良かったな と微笑んだ

えっ? と問うと

今 娘と孫たちの世話で
何も出来ずにいるだろう

はい

それだよ
それがなければ
雪山へと出掛けてたはずだ

はい

年末に吹雪かれて
ヤバかったのではないか と

そうかもしれませんね
スキーの予定でいましたが
北アルプスへの登山も
選択肢がありまして

その為に
冬山の道具を
少しづつ新調してましたからね

助かったな 
それで良し
だから
私より20年も生かされてるんだ
そういう運命だよ と
笑って消えてしまった


とっさに

植村さんはどちらに? と訊くと

さてね
まだまだ
旅の途中さ と
微笑んだ


すると
一瞬また現れて
そうだ
星野道夫が褒めてたぞ

えっ?

秋の涸沢だよ
綺麗な景色だと
20年に1度の3段紅葉だってな



そういえば
星野さんも
43だったなあ