さて
ご近所の子供たちは
昨日から2学期がはじまったらしく
通学班となり並んで歩く姿

あれ?
9月1日からではないの? 
と訊くと

昨今では
どこもこんなだそうだ

では
3日も損したね? なんて
微笑んでもみるが

夏は今まだ終わることなく
相変わらずの暑さは残る

ならば
この暑さが終わるまで
夏休みを延ばしてあげればとも
思いながら…

今後
益々 夏は暑くなり
涼しい夏はもう来ないのだろう

暑過ぎて
小学校のプールすら
開催しないというし

どうしたものかと思いながらも
僕たちには
手の施しようがない

いっそ
山の上へと引っ越すか
渡り鳥のように
季節を追い住み替えるしかない


僕らの頃は
夏と言えば 海で
夏休みと言えば 島だった

10代の終わりには
サーフボードを抱え
真夜中の
竹芝桟橋から
東海汽船に乗り込み

船酔いと戦いながら
早朝に着く
伊豆七島の島

恋愛の駆け引きは
乗り込む前から始まっていて
船で仲良くなれても
先に到着する島で降りてしまう

新島
敷根島
神津島
三宅島
八丈島…



わくわくした
未開の島は
夏だけの街と化して
年上の女たちを追い掛けた

約束して
都会へと戻れば
都会の顔をする女たち

僕たちは
島の姿のまま
真っ黒な顔をして
アロハに
ビーサンのまま…

それを繕わねばと
つまらぬ努力をしてはみても
化ける女たちには追い付けず
9月と共に終えた心

結局
何も残らなかった夏は
いつも
力足らずの若さのせいで

背伸びをしたツケは
季節が変わっても
取り戻せない



明日にはまた
違う誰かが来て
そんな物語を残すのだろう

そしてまた
長い月日が過ぎた頃
こうして
懐かしくも甘苦い頃を
振り返るのだろう



さて

今年もまたラジオから
セプテンバーが聴こえて来る