江戸から大勢で
京都へと向かう夢の中にいた
文久3年だ
善次郎だ
善次郎の中にいる
伝通院には
腕に自信のある斜に構えた連中が
所狭しと集まっている
出立だ
清川が声を上げた
浪士組
いくつかの隊に分かれた
僕は3番隊にいる
誰だ?
新見がいる
井上もいる
彼らはそのまま新撰組となり
江戸には戻らない
なぜだ?
分かるのだ
芹沢か
見るからに物騒だ
今は近寄らずにいよう
近藤は?
土方は?
沖田は?
まだわからない
ワラジを締め直し
荷を背負い
さすがに刀も重い
リアルだ
その場にいる
なぜだ
東海道ではなく
中山道とはまた多くの難所
無事に着けるのか
いくつかのトラブルの中
辿り着いたはずだ
三条だ
鴨川だ
無事に着いたが
さて
壬生寺?
まあいい
清川が何やら言っている
嘘か
ん?
京に残る連中がいるらしい
そうだ
新撰組だ
僕は
ならば残ろう! と前に出る
いや
江戸へ戻ろう
門弟たちに頼んで来た
道場が心配だと善次郎は語る
ここで残れば
永遠に名を残すと
善次郎に話す
残ったならば
子孫のお前はいないと
善次郎は笑う
そうだった
新撰組はほぼ全員
命を落とした
そんな日から
160年も過ぎた今
僕はここで
令和で
そんな夢を見た
先日
実家へと
善次郎の刀が戻り
仏壇の位牌の隣へと備えた
善次郎ジイちゃん
もしかして
僕の役目は
これだったのかい? と呟くと
それはまだ
始まったばかりだと
聞こえた気がした
僕の時間の尽きる日まで
どうやらその旅は
続くらしい
さて
次は中山道
どこの宿場を
歩いてみようか…


