特に
事故や病などで
生死を彷徨うと

その後
人生観は大きく変わり
残りの時間
目一杯 楽しんでみようと
そう思うようになる

カネに執着せず
仕事に追われることもなく
足りるだけあれば
すべて良しと

すれば
そこから笑顔は戻り
目の前のあれこれに
深く興味を持ち

そのひとつひとつに
チャレンジし
その中から
自分なりに楽しめたものを残し

それぞれの
その場だけの友と
笑って生きて行けたらならば
きっと本来の人間らしさに戻り

すれば
悩んだ無駄な時間は削除され
老いて行くスピードもまた
速度を落とし
若さは笑顔と共に戻り
本当の自分を取り戻せる

忖度ばかりの世の中
自分を守るが為とはいえ
白を黒だと言い切り
その場わずかに後悔しても
すぐに忘れ去ってしまう

残りの時間を数えてみれば
今 大事なことが
おのずと見えて来るのに

この世とさよならする時に
後悔せずに
振り向きもせずに
笑える方はいないまでも

わずかでも
心残りを減らし
多くの家族たちに
見送られたいと

そんなことを
ふと
思うようになった


多くの友を
切なくも見送り
辛く涙を流しながらも

ならば
お前たちの分までと
勝手に背負い込み生きて来た

毎年の
彼らの墓前では
おい
僕は
お前の思うように
今 生きてるだろうかと
問うことがある

戻る言葉はないにせよ
もうすでに
分かっている

ちょいと違うな
修正せよ なんて
きっと言うに違いない

そうか
調子に乗り過ぎたかと
反省などして
手を合わす

毎月毎月
どちらかで花を選び
香りの良い線香を探す

あとどのくらい? と
おおよそを数えてもみるが
還暦を越した身体
長く見積もっても
40回には届かないだろう


覚えていた者が
出掛けられる立場にあるのならば
覚えてるよ
忘れるはずはないよと
その日だけでも
思い出せたならば

きっと僕のその日には
向こう岸の川のたもとまで
ちと 遅かったじゃねえかなんて
笑って迎えに来てくれるはずで

その時には
こちらは老いた姿となり
でも彼らは
あの日のままの若さなのかも
しれないけれど…

さてまた
お盆がやって来る