出掛けには
いつも色紙を数枚持ち歩き
若い噺家さんたちの中で
気になった方々に
ちょいと書いて! なんて
お願いする
代わりにわずかな
手土産や
寸志を包み
頼むよ
頑張ってよ
偉くなってよ なんて
褒めてもみる
もちろん
誰でも良いはずはなく
やはり
なんとなく
僕の周波数に近い方々にだけ
声を掛けて
意見を申すことなく
良かったよ と
笑って失礼する
すると
次に会った時に
先日はどーも! なんて
返して来たら
合格!
そう
そんな些細なことが
出来るか出来ないかで
噺家の未来は見えてしまう
もちろん
彼らが偉くなれば
それで良し
その時には
少しは価値も出ようが
あくまでも
老後の楽しみだと
本棚に仕舞い込む
そしてまた
そこへと
わずかでもひと言残したならば
更に
その未来は明るく
その言葉を
忘れまいと
僕もまたインプットしておく
そんな若手の彼らも
10年もすれば
師匠と呼ばれるようになる
名前を変える者
弟子を取る者
世に出た者
引退した者
売れた者
売れずにいる者
生き方は様々なれど
なるほどと
僕の予想は
十中八九 当たっているから
まだまだ
世間に近い感覚を
持っているようだ
見習いや
前座では書けない色紙も
二つ目に上がれば
慣れないながらも
書いて良し
すれば
そのタイミングと
5年くらい後と
真打ち昇進の時に
更には
その後また5年
更に5年
次は10年 なんて
その言葉の変化を
楽しみながら
お願いしてみる
そう
面白いことに
偉くなればなるだけ
喜んで書いてくれる
いや
そんな方々だから
きっと偉くなったのだろう
過去に
2度
断られたことがある
その彼らは
案の定
いなくなってしまった
さんまさんは
新幹線のドアが閉まるまで
書いてくれるという
鶴瓶さんは
学校寄席で
全員に書いて来るという
たけしさんも
志の輔さんも
断ることなどないけれど
なんせ
周囲のガードが固く
なかなか近寄れない
鳴かぬなら
鳴くのを探せ
ホトトギス
いつか
志の輔さんが
色紙に書いてた
ありがたい言葉…
そう
生きてく上では
これで良いのだろう
鳴くのを待つことなく
鳴かせてみる必要もなく
ましてや
消してしまうことなどなく
自ら探せば良いのだ
その後
らくごはバイブル
ガッテン なんて変わり
さて
最近はどんな? ってことで
そろそろまた
お願いしようかと
思ってもみる…



