皆
秋口の紅葉へと目をやり
赤や黄やオレンジやらと
放つその美しさを追うけれども
木々や草花が枯れる寸前に放つ
あまりの美しさは
やはり日本人として
四季のある国に於ける
最高の幸せなのだろう
今年は
桜も早く
季節は先に先にと進み
気が付けば
新緑の小さな葉は
チラチラと淡い美しさを放っている
その緑加減は
なかなか絵の具では表現出来ない
美しさで
見上げれば
目の前の楓は
紅葉よりも
鮮やかに揺れている
それには
やはり晴天の青空と
強過ぎない太陽光とが
木々の葉の隙間から地上へと落ち
地上から眺める僕らの元へ
届く光と色と
揺れる風とが
息吹いたりばかりの小さな葉を
天上から引き立てて
届けてくれねばならない
それが春で
それが初夏なのだろう
昨日の山側のお客様宅では
そんな光景の中
やっと囀り始めた鳥たちが
まだ
上手く囀ることが出来ずも
一生懸命に声を放っていた
姿を追えど
その小さな身体は見えず
時折 位置を変える度
その影だけが
群生する葉の隙間を動いている
そんなことに
気付くことなく
せわしく生きた時間を
そろそろ取り戻さねばと
ふと思いながら
更に天上を見上げてもみるが
そんな地上の男とは
一切関係なく
鳥たちは
途上中のその囀りを
愛おしくも続けてくれている
さて
令和も5年となった春
そろそろ
山へと出掛けてみようか
何者にも
邪魔することなく
そっと…


