湯川って川は
奥日光の戦場ヶ原を流れる川で
湯の湖から中禅寺湖へと
繋ぐ綺麗な水が
年中豊富に森の中を流れている

古く大正の初期から
イギリス紳士たちが入り
毛針を用いた
それはジェントルな釣りを
あくまでもゲームとして楽しんだ
この国のフライフィッシングの
出発点で

そこに並走する木道には
多くの観光客が歩き
森を 鳥を 自然をと
楽しみながら散策している

釣り師たちは木道を外れ
そ〜っと川沿いを
魚たちに気付かれないようにと
竿を振り 
選んだ毛針を
ここ1番の水面へと不時着させる

捕食体制な魚たちは
その一瞬を見逃すことなく
その毛針へと食い付く

しかし
そのわずか一瞬で彼らは
本物か偽物かを見抜き吐き出す

そして次の瞬間
勝ち負けが分かる



大抵 最初は
僕らの負けだけれど

そこから
悔しさゆえに経験値を積むと
その勝率は上がって来るから
僕らは
魚の気持ちを理解しようと
観察を続ける

そして
自ら考えに考え抜いた毛針を作り
次回のそこへと立ち向かう



そう
インチキは効かない
そう
騙し合いの駆け引きなのだ

彼らが命掛けならば
こちらもそれ相当の覚悟をし
あくまでもフェアに
心正しく戦わねばならない

そして
勝ち誇ることなく
彼らのファイトに敬意を払い

ありがとうと声を掛け
またいつか会おうと
川へと戻す

すれば彼らは
1つの学習を終え
次回はその経験値と共に
手強い相手となるから

ならばと
僕らもまた
更に試行錯誤する


特に
湯川という川は美しく
岩だらけのこの国の渓流とは違い
欧州のその川の様相があって
まるで海外かと
心高ばりながらの1日となる

ところが
ここにも難はあって
なんと入り口が2ヶ所しかない

そう
上流の 湯の湖側と
下流の 中禅寺湖側だけ

途中退場する場所はなく
入り込んだら
その長い道のりを戻るか行くか
その2つしか選択はない

だから
年配方にとっては
その歩く距離だけで
気持ちが遠のいてしまうから

それなりの
体力を保っていなければ
湯川というパラダイスへは
立ち入り出来ないのである



さて
今シーズンは
新たで斬新な毛針を巻いてみた

これが
どれだけ通用するのか
そろそろ確かめに出掛けようと思う

解禁は5月1日
今はまだ
雪で埋もれているのだろう