いつの頃からか
夢の中にだけ出て来る街があって
僕はそこの住人ではなく
旅人のような…
そこに
彼女がいるでもなく
友達がいるでもない
なんとも不思議なその夢は
時折
疲れた時にだけ現れる
時には
鳥のように空から眺め
舞い降りる
時には
ぶらり歩いても来る
ある時には
道路のマンホールの蓋をこじ開け
地中から
よっこらしょ! なんて声を出し
よじ登る
ある時は
その街のホテルで目覚める
天気はなぜか
いつも晴れ
季節もいつも
初夏
そこは
確かに海沿いの街で
山の方から
さほど広くない川が流れ込む
そうだ
その川へと
舞い降りた鳥を
河口に掛かる赤い橋から
なんとなく眺めていた昨晩
その鳥は
水面下に潜り
ペンギンのように素早く水中を泳ぎ
5mほど先の水面へと顔を出し
誇らしげに小魚をくわえて
どーだ
こんなもんだ! と
僕に見せつけた直後
呑み込んだ
そうだ
川鵜だ
真っ黒な鳥だ
カラスではない
鷺でも
鴨でもない
鵜だ
川の鵜だ
大きな鯉たちは
知らん顔している
亀も
オレらには関係ないと
甲羅干しをしたまま動かない
おい
お前は
飛べる上に
泳ぎまで上手だなあ
潜ることまで出来て
1度潜れば
必ず小魚を捕まえている
それ
教えてくれないか? と問うと
潜ることか?
飛ぶことか? と返す
教えてくれるなら
飛ぶことが良い
すると
ではちょっと待ってろ!
今
羽を探して来ると言い
水面から
低空飛行しながら
そう
航空艇のように
それは優雅に飛び立って行った
しばらくすると
白い羽を持ち
舞い戻って来た
ほら
これ
天使から借りて来た
気が付くと
僕の背にはそれが備わっていて
さあ
行こう! と言う
えっ? と返すと
ほら
もうそれで飛べるよ と笑う
手を引かれるように舞い上がり
空からの街を眺め
いつまで借りれる? と問うと
それはもう
キミのものだから
永遠にと 微笑む
良いのか? と問うと
キミは
天使になったんだよ
ほら
あの日
ぱふが迎えに来ただろう?
そうだ
銀の龍だ
あの夢の続きだ
で
ぱふは?
ぱふは
キミを迎えた後
天に昇ったよ
そうだよ
神の使いだったからね
神の所へと戻ったんだよ
で
僕はこれから? と問うと
キミはあの日
選ばれて
こちら側へと召されたのさ…
えっ?
そこで
今朝は目が覚めた
この続きは
いつかまた
この街が現れた時に
見れるのだろうか…





