無縁坂から
東大を抜け
お茶の水へと出ると
そこは 檸檬 の街
湯島聖堂と聖橋と
総武線と中央線と
神田川と学生街
半世紀も前の僕らの心を
そのまま歌った歌詞で
駆け引き出来ず
取り残された若さは
懐かしさと
切なさとを
同じ天秤に乗せながら
今も通るたびに
胸熱くなる
あの頃
バカだね
真似てレモンを投げ込んだ記憶
早朝
誰も居ない時間に
この曲に入り込み
この主人公に成り切って
そんなガキも
多くの擦り傷を負いながら
大人になり
今 還暦をも越した
昭和という流れの中は
なんとも居心地が良く
多く仲間たちは
嘘偽りなく友達であった
平成は厄介な時代となり
令和に期待することもなく
口にする言葉選びに気遣いながら
振り返り振り返り
残りの時間は砂時計のように
落ち続けている
🎵 捨て去る時には
こうして出来るだけ
遠くへ投げ上げるものよ 🎵
今まだ
身震いなどして…
檸檬
梶井基次郎の檸檬が
この曲の中にはあって
憂鬱さと若さとが
どうにもならないバランスで
漂っているらしい


