昨今
ニックさんは

いつも
あなたが来るのを待ってますよ!と
財団のスタッフに
言われるようになった

そう
酒を
ウイスキーを
必ず持参するから…






ただし
封を開けることなく
ニックさんが眠る
メモリアルストーンに備え

献杯と
いや
乾杯と呟いてボトルを掲げてみる

そう
そこは野生動物たちの森
酒の匂いを残してはならず

また
僕も車の運転
呑むことはない

しばしそこに備え
財団の管理事務所に置いてゆく

すれば
必要なスタッフたちが
呑んでくれるだろう

行く度に
さて
どんな酒にしようかと悩む

日本酒は得意ではなかったから
ワインか
ウイスキーかと悩みながら
やっぱり
1番はウイスキーだと
綺麗な瓶を選ぶ


健康の為
酒を控えて欲しかったけれど
酒のない人生なんてと
いつも笑っていたのを思い出す

還暦となり
酒を辞めたと言ったら
ニックさんはきっと
残念がるだろう

それでも
お付き合いの中で
ビールだけ頂くことにしたと言えば


ならば結構と
ニックさんは
微笑んでくれるだろう




そうだ
ニックさんの齢まで元気でいれたら
その時には
また
ウイスキーを呑んでみようと思う