30数年前

フィッシュトラップスという
釣り道具屋で作っていた
ロブノールLCTなる
フライフィッシングの竿

竿の先端がソリッドという
凝った作りになっていて

高価なバンブーロッド並みの
アクションをしてくれると
言われたもの




当時はそれが
理解出来なかったけれど
昨今
なるほど
こういうことかと
なんだか誇らしくもある

そう
やっとその竿に
腕が追い着いたのかもしれない



しかし
すでにその店はなく
お世話になったマスターすら
その行方がわからない

ようするに
壊れたら
修理出来ないのだ

そう
まさに僕の
フライフィッシングの先生で

当時
フライを扱う店すら
なかなかなかったけれど

そこは
ルアーよりも
フライで

しかも
フライを知り尽くしたマスターが
オリジナルの竿を作っていた

初心者の僕は
あの〜
フライをやりたいのですが… と
問うと

ようこそ!
待ってました! 状態

手取り足取り
必要な道具
投げ方
毛針の作り方
良い釣り場まで
それは丁寧に教えてくれた

もちろん
この物好きな男
のめり込み 通い詰め
常連になっていたけれど

わずかな間
家庭の用事を優先し
離れてしまい

さて
そろそろまた
自分の時間が取れたと
出掛けてみると
すでにその店はなく

誰に訊いても
わからず仕舞い

そんな日から
はや30年
手元には
そのロブノールが3本

今まだ現役で
釣りの相棒となっている



ネットでは
今頃
良い竿だったと評され

個人の手による
わずかな期間だけの生産の為
ほとんど見掛けることのない
幻の竿とまで言われ

もしも
見掛けたら気にしてみて! と
付け加えられている


ロブノール

LCT


さすがに
外国製のオールドモデルのような
プレミア価格にはならないけれど

知る人ぞ知る
名機となったようだ

これはもしや
いずれ300年も経つと
ストラディバリになるはずだと
子孫に言葉を残そうと思う



幸せになりたかったら
釣りを覚えなさいと
開高さんは笑ったけれど

その通り!

開高健さん
里見栄正さん
西山徹さん
そして
ここのマスター 石川さんが

僕の
釣りの
師匠なようだ