4枚目のアルバム
エクランが始まって
さあ どんなかと思い気や
アカペラでも歌えるほど
何度も何度も何度も聴いたアルバム
あの頃よりも
染み込むような歌声は
バックで流れる
あの頃の夕子さんの声と重なって
なんとも気持ちを熱くさせる
最近
夕子さんのライブで
目を閉じることが増えた
もちろん
一瞬も見逃さないようにと
思っているけれど
曲によっては
真っ先に あの頃っていう
風景が現れる
そう
流行りの歌に
自分たちを押し込んでみた頃
身なりも
風景も
感情も…
ベスパに
流行りの髪に
黄色い靴に
ピンボールまでも…
それでも
もう浮かんで来ない彼女の表情
何度も何度も
近づくけれど
なぜか表情が見つからない
今夜もまた
こっそり目を閉じて
渋谷から
ベスパに跨り
環七を越え環八へと出て西荻まで
辿ってはみても何も戻らない
40年とやらは
早過ぎたけれど
戻らない多くを
遠ざけてしまったようだ
そんなことに
振り返るのはいつも男で
女は振り返ることなく
未来を見るのだろう
ベスパは
赤ではなく白で
1人乗りではなく2人乗りで
流行りの髪は
もみ上げをカットしたテクノで
似合うはずもなく滑稽で
黄色い靴は
オニズカタイガーの
ブルースリーの映画のやつで
ピンボールは
確かに負けなかったけれど
バカなほど使った小遣い
そんなことは
覚えているくせに…
そうそう
昨晩 お願いした
例の ダルマへの目入れ
僕らだけではなく
どんなになるのかと
みんなが楽しみにしているらしく
勝手にファンクラブの幹事長は
ウインクなんかだったら面白いね
なんて笑って期待してたり…
さて



