子供の頃
日曜日の朝となると
テレビの前
今日はどこかな?
どんな国かな? なんて
楽しみでかじりついた
兼高かおる 世界の旅
そう
アラウンドザワールド が
流れて来て
パンナムのジャンボ機が
青く綺麗な空に飛び立つ映像
世界ってどんな?
外国って?
外人って?
言葉って? なんて
そう
僕らの暮らす田舎町には
外人なんていなかった頃
とても上品で
そして丁寧に
更に優雅に世界を観せてくれた
長いこと楽しみだった番組が終わり
その姿が見れなくなった頃
僕らが
世界へと出掛けることが出来始めた
そう
まさに先駆者で
まさに道先案内人だったのだろう
子供ながらに
その美しくエキゾチックな姿に憧れ
会ってみたいと思ったけれど
どこでどうしたら… なんて
お会い出来たのは1度だけ
いや
すれ違っただけの羽田空港
そう
観光屋の添乗員のバイトをしてた頃
多くの取り巻きに囲まれて
歩いて来たその姿は
兼高さんだった
取材か何かだったのだろう
近づけるはずもなく
確かに兼高さんだ って
確認出来ただけかと思っていたら
そうだ
握手して頂いた
そうだ
どんなシチュエーションだったか
思い出せない
忘れてしまった…
大人になった今
時折
ネットで観る
あの頃の世界の旅では
時代は変われど
やはり
上品に美しい姿は憧れを増して
知り合いになりたかったなあ
同じ時代に生きたかったなあ
同じ時代に生きたならば
近づけたかなあ
友達になれたかなあ
一緒に世界を旅出来たかなあ
なんて 妄想を抱くこともある
著書は多く読んだけれども
テレビでは
しばらく
お見掛け出来てないから
お元気かな なんて思っていたら
訃報が届いて
ひとつの時代の終わりと
昭和が遠くなって行く様を
強く感じ取った
その後
淡路島で開かれていた
兼高かおる展
そろそろ
出掛けようと思っていたら
突然 閉館となり
またしても
間に合わなかった自分を責めた
そう
思った時
今
動かねばならない
せねば
後悔することばかり
なんてことを
いつも教訓としていたのに…
さて
あれから3年
調べても
探しても
情報なき墓所
それが
突然わかったのが
なんと
この5日 3度目の命日
神戸辺りかと思っていたそれが
目黒と知って
ならば
これまた急ぎ足かと思い気や
お正月休みの中で
家族からの時間が取れず
本日となってしまった
人影なき
沢山の花に囲まれた墓前で
多くの想いを呟きながら
今のこの世界は
便利さと引き換えに
失ってしまった大事な多くが…と
そうそう
僕らはパンナムに間に合いましたよ
そうそう
西海岸の
モントレー カーメルは
とても綺麗な街でしたね…
そんなことを
呟く言葉の途中で
カタカタと揺れた塔婆から
なんとなく
戻る言葉が
聞こえた気がした
ありがとう




