談志師匠の遺品
BOSE Wave Radio を手にしてから
数日
ジャズを
それも
巨泉さんのジャズをと
好んで聴いていたけれど
師匠のBOSEでは
やっぱり
師匠の落語を聞かねば…と
実家の書棚から
引っ張り出して来たCD
すると
不思議かな
師匠が目の前に現れて
威勢の良い若い頃の師匠が
あれもこれもと
問い掛けて来る
音質を操作する装置もない
シンプルかつ
正々堂々としたこのBOSEは
あの日 CDに封印されたままの音を
忠実に再現し
あの日の音を
あの日の声を
あの日の空気感を
我が家の居間に映し出す
これぞ! と
正座しながら身震いなどして
止めたい時間と
止まらぬ時間との狭間に
取り残された感覚は
やはり
昭和に作られた
旧式の身体ゆえなのだろう
戻したい時間は
わずか40年
でももしも
良いよ って神様が言ったならば
やっぱり戻さないで なんて
答えるのだろう
そう
戻れたとしても
きっとまた同じ道
ならば
あの苦労
あの痛み
あの寂しさは
もう通りたくない道
そうだ
今を
今のまま 止めて欲しい
代わりに
未来は来なくても良い
そうだ
それが良い



