わからなかったものが
或る日 突然
わかるようになる
そんなことが
齢を追うごとに
ここにも訪れて
還暦も悪くないなあ などと
笑うこともある
そう
特に名著と言われる純文学に
それは多くあって
あの頃
こりゃ無理だと諦めた小説
それらが
人生経験を積んだ後半の辺りで
なるほど
こうだったのか と
言いたいことの意味を掴むことにもなり
やっとこさ
追い付けた自分を褒めたりなどして
そのひとつがこれで
何としたことか
名著であると評判だったわりに
わからなかったもの
それでも
2500冊限定の特装本
当時
予約せねば手に入らなかったはずの
わずかに末頁に
ken と入れた直筆のサイン本
ならばと
古書店で見掛ける度
手の届く範囲で手に入れ
書棚へと収めて来た
そう
その内のわずか60冊は
著者本人が買い取り
ken ではなく
私 と細工し
知人たちへと配ったそうで
そちらは
今 偶然見掛けても
かなりの高値となっていて
手を出すことは出来ない
そう
記念館にも1冊
展示してあるくらいの貴重なもの
その kenの物が
本日
書棚を整理していたら
今 目の前に11冊
こんなにも出て来て驚いた
コツコツ集めながらも
まだわからないだろうと
ただただ仕舞い込んで来た
先々
ゴミになるのか
お宝になるのか
まだ わからないけれど
やっと追い付くことが出来た文章
僕の中では
すでにお宝なようだ
いずれにせよ
かなり手強い文字列は
どなたにも
人生経験を要するのだろう
わかるかなあ
わかんね だろなあ 笑




