七夕に
永さんが去って5年
元浅草をぶらりする度に
素通り出来ず手を合わせる
そう
永さん家はお寺なのだ
そこはビルに囲まれた奥の奥
一礼し鉄の格子を
そっと開け
そっと閉じ
墓所の奥へとゆっくりと歩く
すると
いつ来ても花は途絶えることなく
綺麗に備えられて
新たに燃え尽きたくらいの線香が残っている
本日はワインを備え
手を合わせ
この線香 良い香りでしょ
なんて呟いてもみる
本堂へとお声を掛けると
返って迷惑かと
一礼しそこを後にする
訊きたいことは山ほどあるけれど
もう答えは戻らない
それでもきっと
こう答えて下さるだろうと
すでに解っているからファンなのだ
今頃きっと
前武さんや巨泉さんと
一杯やりながら
楽しかった昭和の話で盛り上がっているのだろう
そうそう
永さんの墓所は
こうしてひっそりとあるけれども
巨泉さんのは今だにない
調べると
奥様が一緒にいたいからと
常に持ち歩き
海外へも持参しているんだそうだ
しかし
そろそろ収めて頂かないと
残された後輩たち
お世話になった方たちは
手を合わせることが出来ずにいる
昨今
樹木葬ならまだしも
海へ 山へ 宇宙へ なんて時代
それでは
残された方々が困ってもしまうし
諦めてもしまう
世の中は
多くのひとりっ子時代
すると
結婚し 時が来ると
どちらかの墓所が絶えることにもなりかねない
多くが無縁になる前に
そろそろ対処出来る何かを
考えねばならない



