僕らが
ぷらっぷらしてた40数年前の姿は
そこにはもう
ほとんど残っておらず
目の前を歩く方々も
すべてが入れ替わってしまった
あの日
まだまだ
この世にいなかったはずの若者たちが
大手を振って歩いている
あの頃と比べてみるような
そんな意識の中で
ひとつひとりを確かめるかのように
歩いていたのは
きっと僕だけだっただろう
原宿の駅も
すべてが変わってしまった
便利と言えば良いはずが
風情はすっかりなくなってしまった
けやき並木の
その長い参道をてくてくと歩き
やっとこさ青山通りへと出ると
その左手に
師匠は眠っていて
一礼しその山門をくぐる
その寺の周囲の風景ですら
この5年で変わってしまったから
なんとこの街は急ぎ足なことか
5月17日
忘れるはずもない我が祖父と同じ日
手を合わせ
おそなりましたと一礼し
本日は
大辛口を選んで参りましたと備えると
昨年 持参した八海山は
封を切ることなくまだそこにあって
これもまた
次回までここを飾ってくれたらと
手を合わせた
そう
手の届くところにいた
1番好きだった師匠
そして
若手の多くが
必ず習った師匠
人望熱く
酒が強く
噺は一流
私生活は三流
そんな師匠が大好きだった
還暦になったこと
孫が出来たこと
今 若手の誰々を応援してること…
戻る返事はないにせよ
戻る言葉はわかっている
そんなことより
また 呑もうよ なんて…
喜多八師匠
早過ぎるよ…






