ロングバケーションが40年だそうだ
発売日に
あのLPレコードを買ったのは
僕ら世代だけだろう


すぐに
カセットテープに吹き込んで
車のロンサムカーボーイに押し込み
大きな音を立て
鵠沼海岸へと向かった
その中古のジェミニには
短いサーフボードが2本

大して上手くもない腕も
なんだか
上手くなった気分となり
その夏を彩った




それまでは
サザンオールスターズと
角松敏生と
アンルイスと… なんて
そんな夏の定番だったけれど
その夏だけは
ロングバケーション 一色に変わった




81年の夏
その年
初めての海外はサイパンだった

仲間たちと海岸へと出ると
君は天然色 が流れていて

振り向くと同世代の女性たちが持ち込んだ

ラジカセからだった


良いね なんて声を掛けたのは僕で
それじゃあ なんて
お付き合いが始まった




車をワーゲンに変えたのは
やはりこの中の曲のせいだろう
彼女とそんな場面を
過ごしたかったから…


残念ながら
大瀧詠一さんはすでになく
気が付けば40年なんて節目を迎え
TVではそんな特集が組まれ
そんな多くを思い出しながら
飲み干した缶ビールを握り潰す

あまりにも
早く過ぎた時間と
軽くなった残りの時間とを
比べてみた途端
身震いなどして涙ぐむ

時を戻してくれとは言わないけれど
一瞬だけ
あの日に戻れたならば
手放さずに済んだこともあるはずで

でも
それを手放さなかったならば
今の生活はない

あれもこれもは
手に入れられないけれど
人生が2本 
横並びに進行していてくれたならば
そして
そこを行き来出来たならば…
なんて失礼な思いを抱くこともある

ただし
波風はあれど
なんとか無事に生きたこちら側が
正解だったと思うならば
叶わぬ様々な思いもまた
良しとして生きてゆけるのだろう



もちろん
我が家の棚には
そのLPレコードと
そのCDとが並ぶけれど
昨今では
ネットで簡単に聴けるもんだから
取り出すことはなくなってしまった

なんとその後
日本の音楽で
初めてCD化されたのが
これだったと聞いて
嬉しくなった記憶

その曲を聴くだけで
一瞬にして
あの日
あの場所に連れ去られる今

やはり
良い仲間たちに恵まれた
良い青春だったのだろう
ありがとう
ありがとう
ありがとう



そうそう
江ノ島で
ヤマハのヨット教室に入り
船酔いしながらも
頑張れたのは
彼女とディンギーに
乗ってみたかったから…

バカだよね  笑