とうとう
終わってしまった
修二会が終わってしまった
昨年に続き
出掛けなかった後悔など
今頃 して…
おそらく
この国で最も美しく
また 神秘に満ちた業なのであろう
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二月堂で
過去帳を読む日をと出掛けたのは
もう 何年も前のこと
毎年
3月1日から14日までの修二会の中で
5日と12日にだけ読まれるそれに
合わせて出掛けるには
週末の土曜日と重ならないと な…
それは
お松明が終わり
一般客が姿を消した頃
そう
すでに境内に人影はなく
二月堂の外側から
格子を覗き込み
静かに耳をそば立てるわずかな方々
辺りは真っ暗闇
お松明の残り香と
ロウソクの炎がうっすらと
それらしく揺れ
練行衆たちの南無観世音だけが
響き渡る中
これはきっと
朝までの長丁場かと
そう
もしや 宿なんて要らなかったかな
なんて思いながら
奥の休憩所で休んでいたところ
木戸を開けて入って来た
なんだか地元風な旦那さまに
カクカクシカジカで
過去帳読みまで
後どのくらいでしょうか? と尋ねてみた
すると
そうですか
わざわざ… なんて微笑んで
では
中へ入れて差し上げましょうと
えっ! って問うと
どうやら関係者らしく
このハガキに
ご住所お名前等をお書き下さい
それから
写真も録音もダメですよ
携帯もお切り下さい
それから
中での会話もなしで と…
ではどうぞ なんて
僧侶たちが入るそのドアを開け
入れて下さった
そこはもちろん暗闇で
限られたわずか数名の方が静かに座り
そちらへと手招きされ正座した
後に見える格子の外側からは
こちらを見つめる方々の姿が
うっすら映り
徳したような 申し訳ないような
直後
目の前 わずか2メートルの所で
五体投地は始まり
大きな音と
その迫力に圧倒された
1時間ほどして
案内して下さった方は
僕に近づき では と
手で挨拶をして 帰ると言う
僕もかと立とうとすると
どうぞそのままでと
これまた手で合図をされ
ありがとうの言葉すら伝えられず
手を合わせて見送った
まさかと思いながらも
初めての内部は
それはそれは
怖さと物凄さとで
わずかに身震いしながら時を待った
それから
どのくらいの時間が経っただろう
突然 静まり返ったそこで
そう
過去帳読みが始まった
そう
これが聞きたかったのだ
そう
青衣の女人 が聞きたかったのだ
源頼朝から18人目だそうで
それもゆっくり丁寧に読むらしいと
耳をそば立てた
聞こえた
確かに聞こえた
これで今夜の目的は果たせた
さて
宿へと戻らねば なんて
そこからが
ひとり暗闇の古寺の石畳の坂道
見えない何者かが
見えそうな
現れそうな
その怖さはなんともな道
時折
寝ぐらに戻りはぐった鹿が
目を光らせてこちらを見る
そんな
春まだ来 3月
修二会とは
そんな業なのだ
そして
こんな世の中
もしかすると
そろそろその 青衣の女人
現れる頃ではないのかとも
思いながら…
さて
来年 世の中が晴れたならば
僕のように我慢した方々で
二月堂はまた賑わうのだろう
すれば僕もまた
もちろん! と出向き
あの日
お世話になった方探しを再開せねばならない
ありがとうございましたと
ひと言
伝えたいが為に…
この世の内に…











