その弟子は
あまりにも偉大な師匠についたが為

通常は
その前座として1000人規模のお客さんの前で
落語を演じている

ところが
自分だけの会ともなると
まだまだその認知度は薄く
わずか20ほどのキャパで
その将来を期待する
本当にわかった客だけの前で
師匠に良く似た落語を演じている



席亭のいない
自分だけで行っていた会は
こんな世の中
出来なくなってしまったけれど

縁あって出会ったその小さな寄席の
オバさん席亭に気に入られ
昨年 ピタリとすべてが止まった寄席の中で

こっそり 常連だけで
しかも半分に間引いて
開催し続けたそこに
出続けたその若き弟子は

おそらく昨年では
日本1演じていたであろうから
少しづつ解除された寄席で
言葉に戸惑う多くの噺家さんを
軽く抜いた感が見られたわけで

そんな最中
その やり手のオバさん席亭は
あれもこれもと依頼を施し

その若者の苦手分野を攻め続け
いつの間にか
いずれはと思っていた
新作にまでも手を伸ばし

しかも
無理無難なお題まで出して
悩ませ続けている



そう
師匠からは 真打ちになるまでには
何らかの新作を作れと
自ら作ってみると
改めて古典の良さを実感するからと
それも

まだまだ先のことと油断していたわけで

それが
通常の番組とは別に
毎月1本組まれたから
只今 七転八倒しながら
その会を開催しているってわけだ


ところが
先月のその会は
倒れた師匠を労って
まさか自分が とキャンセルしたもんだから

今月のその会では
先月のそれを演じたら良いだろうと
油断していた中で


先月の新作とは別に
今月のお題も出されて
なんと
今週末のそこでは
2本の新作を… なんて 笑

この愛のムチは
いずれ大きな宝となって
あの頃は… って笑って
振り返る日が来るのだろう

そしていつか
その偉大な師匠に近づいて
親子会でも出来たならば

間違ってなかったと
僕らも自分を褒めるのだろう