今朝
早朝からあいつの墓前で
手を合わせ


もう14年か…

知ってると思うが こんな世の中
しかし
お前の置き土産
まさか今頃 咲くなんて… と呟いた

朝も7時前では早過ぎて
花を手に入れられず
ならば 花よりダンゴ
好きだったはずの
酒とコーヒーかと…

数日早いが今週は時間が取れず
こんな早朝になってしまった



高校3年の終わり頃
皆 行き先が決まった頃
集まったあいつの家

百恵だ 淳子だ
ランちゃんだ ミーちやんだと
好き勝手言ってた中に
あいつが1枚のLPレコードを差し出した

なに? なんて訊く間もなく
これ 良いから聴いてみて? なんて

うそー!
でも ホント? なんて
早速 
カセットテープに録音して持ち帰った僕ら…

そこがまさに
入り口だった

あいつが僕らの中に
持ち込んだのだった

その後
僕らの中に広めたやつも
6年前に先立ってしまった


社会へと出て
それぞれが家庭を持ち
連絡なきは無事な証拠 なんて頃

あいつの地元の仲間から連絡が入って
あいつ具合が悪いらしいと
それもあまり良くないらしいと…

もう何年も会ってないのに
突然伺うのも…と思っていると
なんと
中学の娘のバレーボールの試合が
あいつの地元近くであると言う

ならば
そんなわけで近くへ来たからと
寄り込んでみようと

娘の試合で
近くへ来たから…なんて笑いながら
すると
思ったより元気そうな姿を見せたあいつ

でも
何かを察したように
奥さまはリビングから出て行かれ
ふたりとなり

言葉選びながら
体調を崩したと聞いたけれど… なんて

すると
そうか
ならば お前にだけは話しておく

実は
悪いんだよ
手遅れだそうだ
我慢しちまったから…

お前も
もし体調に不安があったら
すぐに検査した方が良い…と

何か出来ないのか? と口にはしたけれど
あれこれ調べたが
もうこのままでと 微笑んだあいつ

選ぶ言葉を失って
そろそろ娘の試合が…なんて
逃げるように後にしてしまった

帰宅後
仲の良かった連中に
片っ端から連絡をしたけれども
そんな状況では行きずらいと
誰も行かなかったようだ

そんな僕ですら
もう1度 もう1度
早く早くと思いながら

気が付くと
あいつの訃報が届いてしまった

後悔 先に立たず

あいつは
どう思ったのだろうか?
あいつは
幸せだったのだろうか?
やはり
辛くとも
もう1度行くべきだっただろう…と

その後
何度も自分を責めてはみても
答えは今だ 見つからない


その後
アルバムを3枚出し
益々 僕らを虜にしながらも
姿を消してしまった憧れは

35年もの時を経て
一昨年
僕らの前に舞い戻った



まさに
あいつの置き土産

まさか今頃
花咲くとは…

あいつに
観せてやりたかった