いつぞやか笑って握手をして下さった方は
今の僕の年齢で先立ってしまった

そんな日から 今月の9日で
30年もが過ぎ
こうして今年もまた 墓前で手を合わし
1対1の時間に酔いながら
つまらぬ 独り言を言う



特に今年は 追い付いてしまったこの年齢の中で 
感慨深くも一礼をし
また 都合で半月ばかし遅なってしまったと詫びた

いつもならば
持参したウイスキーを1瓶置き
勝手に献杯などと呟くはずが 
急に時間が取れて出掛けたもんで
途中 どちらかで調達すれば なんて思っていると

なんと 北鎌倉の駅前には
酒屋もコンビニもない




毎度 花は用意せず
花よりダンゴ
そう 酒が良いと 
しかもサントリーだろうと 
ほのかに微笑むけれど
これは困った

でも きっとどなたかが
すでに持参しているはずと
今回は勘弁して頂くことにして


山門をくぐり
左手の弓道場を横目に見ながら
先へと急ぎ足
その 小さな木戸を静かにそっと開け
てくてくと長い坂の階段を登り切ると
目の前に現れる圧倒感


太く短く生きた人生とはいえ
その太さの中にも さらに詰め込んだ遊びの天才

若い僕たちは 多くのことを知らされ またそこから学び
こうして大人になった

生き方はそれぞれあれど
そんな生き方に憧れながらも 
家庭を最優先したが為
どうやら 僕にはもう少しだけ 
ロスタイムが残されているらしい

苦戦しながらも やっとこさ終えた子育て
さあ これからかと思う中にも 
変わってしまった世の中の面倒なしがらみと 厄介なルールとで
指をくわえながら夢見た先輩たちの遊び方を
真似出来ない この令和なる時代

それでも わずかに灯る残り香を追い掛け
こうして時折 行く先を占いながら 手を合わせる




男とは
女とは
遊びとは
酒とは
食とは
釣りとは
言葉とは
人生とは
エトセトラ エトセトラ

わずかながら
同じ時代に生きたこと
誇りに思いながら。。。

漂えど沈まず