浅草で 仲見世で 雨に降られ
わずかな時間の雨宿りにと
伝法院通りの とある古本屋に駆け込んだ


そこは 
年配の おばあちゃんがひとりで切り盛りする 小さな店

雨にやられまして なんて
声を掛けると
どうぞどうぞと 微笑んでくれた

このあたりも 外国人ばかりで 様子が変わって来ましたね なんて話すと

どちらから? なんて
会話に花が咲いて


実は おばさんが寿司屋横丁におったんですよ
釜飯の春 の裏玄関のあたりで 豆腐屋 やってまして なんて笑うと

おや
あの方は良く知ってますよ
あそこの お豆腐 とても美味しかったですね なんて

でも もう20年も前に 他界して 僕の浅草 最後の砦も 無くなってしまいました と残念がりながら

そうそう 仲見世でお店やってたと聞いてましたが
なんでも ほおずきを販売してたとか

ああ それも知ってますよ
仲見世の1番 浅草寺さん寄りの 境内の左手で ほおずきではなく 海ほおずきでしたね

そうそう それかもしれません
若い頃 親父も手伝いに来てたと聞いたことがありますから

あの頃は このあたり
夜中まで 人が絶えませんで
それはそれは 賑やかでしたよ なんて

まさか 
お富おばさんを知ってる方がいたとは
とても嬉しくなって

雨もまた良し なんて微笑んで
小降りになった 伝法院通りから六区へと抜け
ゆっくりと歩いて上野へと向かった夕刻でした

これもまた 嬉しい縁
これからは 浅草を訪ねる度
この古本屋に立ち寄ることでしょう

そしていつか 親父を連れ立ってならば
もっと良い笑顔が見れるのでしょうと。。。