メダカたちの寿命は
長くとも わずかに2年

この季節
多くの卵を産み
次の世代へと命を預ける

寒い寒い冬を
わずかなエサしか食べず耐え
春先から繁盛に動き出し
この季節に憂いを解く

ほーっとけば
卵は 親メダカに食べられてしまい
また そこを潜り抜けたとしても
誕生直後 やられてしまう

ならば
せっかく生まれた命
気が付いたものたちくらい
助けたいと

その卵を救い上げ
別の容器での誕生を待つ

出来るだけのことは手伝うから
せめて大人になれと
声を掛けながら
その成長を楽しみながら。。。



ところが
せっかく やっとこさ
辛い冬を越したというのに
命の時間は待ってもくれず

その命を落とし始めた親メダカたち
わずか小さな命でも
ここで我が家で生まれた命

その寿命 全うしたと思いたいけれども
ルールなき水の中の世界では
命を掛けた駆け引きの日常なのだろう


もともと
古代蓮の鉢のボウフラ予防にと数匹 納めたメダカたち
この10年の間
保護したが為に増え
昨年末 その半数を知人にお譲りしたけれども
今まだここには
2000匹が泳ぎ
今年もすでに多くの稚魚も泳ぐ

とうの蓮は
3年前の植え替えの時に
肥料の配合を誤り
枯らしてしまい
このメダカたちが残った

面白いもので
黒いの 黄色の シルバーに 赤に 更には ダルマまで
育つ過程で様々な姿へと変わる

それがまた楽しみで
まるで お釈迦様の如く
毎日 水中を覗き込み
蜘蛛でも見掛ければ
その糸でも垂らしたならば
芥川龍之介の気分にも浸る

寿命を全うしたと思いたい
その 落ちたメダカたちは
輪廻転生
次は 綺麗な花となって
その姿を見せてくれと
わずかな願いを込めながら
我が家の狭い花壇に埋葬し

また 次の世で会おう! だなんて
ひと声掛けて さよならする

そう
そんなことしか出来ないじゃないか
そんなことしか
してあげられないじゃないか

もしかすると
いつぞやか僕の身体にあったはずの
地球からお借りした物質は
今 巡りめぐって このメダカたちとなっているのかもしれず
また いつぞやか
メダカだった物質は 今
僕の身体となって動いているのかもしれない だなんて

人も 動物も 植物も
すべては この地球そのもので 太陽の日を浴びて
わずかな時間だけ動き出したものなのかもしれない

そして時が来て
その身体を離れるとき
また 次の世で会おう! と
願うのだろう