それは
ある日突然やって来た

いつもの定席の寄席では
時折 観ていたけれども
特に何でもない若手だった

ところが
とある雨の平日
お客様との立ち会いが流れ
ならばと向かった連雀亭

そこはわずか38のキャパの
パイプ椅子

二つ目さんたちだけに
ビルのオーナーが無償で用意して下さったという
そりゃあ 粋な計らいの 小さな寄席

前座修行を終えたばかりの
まだまだ 名も知れない若手たちの勉強の場で

満席になることなんて
ほとんどなく
つ 離れすらしない
(9までは ここのつ  10はとうで つ から離れる)

下手をすれば
今だに
演者4人 客1人なんてことも

そう
僕が来たから客1人になったけれど
客なし なんてこともざらにな場所

今 飛ぶ鳥を落とす勢いの まっちゃんですら
半分も埋まらなかった頃もあった

そんな 雨の平日
わざわざ出掛ける方々の姿はなく
人気演者の出演もなく な日

会場は 案の定
演者4人 客8人だった

どなただったか
前3人が演目を終え
なるほど かんばれよ! って
拍手をした後

トリで出て来た見慣れた顔
たこ平さんだった

正蔵さんとこの2番弟子
先に1番弟子のたけちゃんが
真打ちになってすぐの頃

さほど期待もせず聞いた
その日の演目は
もぐら泥 

おいおい
これはちょいと周波数が合った
直感で 先立った喜多八さんのやつだなあ と思った

早速 声を掛け
あれこれ問うと
やはり 喜多八さんから習ったと

話すとなかなか面白い男で
また人間的にも周波数が合った

その後
定席の寄席ではなく
小さなキャパでの彼を追い掛け

昨年は真打ちの披露パーティーにも呼んで頂き
気が付けば 友達であり
また 応援隊の先頭にもなっていた


彼はまだまだ
化ける要素があると信じ
古典の演目も増え

今月末には
池袋演芸場を借りきっての
初めての独演会が開かれる


昨今
なかなかその周波数が合う若手と巡り会えない中で
遅咲きと言えば
きっと遅咲きになるであろう 少々 不器用な彼が好きなわけです

還暦を迎えた頃の彼は
きっと素晴らしい噺家になっていることでしょうが

はてさて
僕は それを見届けられるのだろうか? なんて
呑んだ席で 今夜も笑いながら。。。

師匠が こぶ平から 正蔵に代わり
こぶ平時代に入門した最後の弟子だそうで

ならば
真打ち昇進と共に
自分も 平から蔵にと って
ことだったそうで

いよいよ
スタートラインに並んでくれたようだ

林家たこ蔵
もしかすると
もしかしますよ!