ガキの頃
小学生の頃 
住んでた田舎町の借家街から
ひとつブロックを隔てた
その町の銀座通り商店街を抜けた所に
ちょいと さびれた映画館があってね

そこが
たまの休日にしか営業しないんだよね

その頃はね
映画館って
そんなもんだろう って感じてたんだけどね
やっぱ
田舎だから だったんだよね

ある日
そこがね
隣りのクラスの友達の家で経営してるって 知ってね
みんなで
そいつに頼んでみたんだよ

オレたち
小遣い ないんだ
でも お願い!!
一生のお願い!! ってね 

そしたらまた
そいつが良い奴でね

良いよ!! って
おまけに
特別に 指定席にも入れてやるよ って。。。

嬉しかったよね~
もう
”ドキが ムネムネしちゃったよ”
 

 

するとさ
当日
横のドアから
こっそり入れてくれてね

この上の
2階が指定席だから
そこへも ど~ぞ!! って。。。


でもね
そこ
ハシゴ で上るんだよ
そう
ハシゴ でね

子供心にも
おい
なんか変じゃあ~ねえ~か? って感じたけれど
なんせ
初めて入った映画館だったもんで

ほおおお~~~
なるほど 2階がね
観やすいしね って
なぜか 
うんうんと 納得なんかしてさ

それは
確かに昭和の時代で
戦後のドサクサの生き残りの場所で
当時としては
娯楽の最先端だったのかもね?

僕らが
本当に
最後の昭和世代だったんだな って
今更ながらに感じるよね

更にはね
そこには
イスなんてなくてさ
床は板の間敷きで
座布団があってさ
ど~ぞ
お好きな格好で ってなあ~具合

そ~さ
寝転んでてもOK
正座してても
胡座をかいてても OK

ありえね~!! って
今なら思うけれども
なんせ
初めてだからさ

その後の僕らの
映画館とは? って感を
ここが作っちまったってわけさ
 

 

それでね
その日
上映したのは

な なんと
忘れもしない

”小さな恋のメロディ”

そう
あの 
マ~クレスタ~と トレ~シ~ハイドの。。。だよ

今思うと 
これだって 凄いこと!!

時期からして
ど~考えても
リバイバルなんかじゃあ~なくて
完全に 
”ロ~ドショ~” だったんだよね

 

 

そんな思い出の中から
いつの間にか 48年もが過ぎて

昨晩
棚の奥の方から
引っ張り出した VHS

ビ~ジ~ズの歌声と共に蘇った
そりゃあ~
懐かしい頃

そして
今でも思うよ

メロディと一緒に
トロッコで
どこまでもどこまでも
漕いで行きたかった なんて。。。