「ああ、ゴルードラッシュの日だなあ」と思う。
1848年のこの日、米国の現在のカリフォルニア州コロマで、金が発見された。製材所の現場監督だったジェームズ・マーシャルが、アメリカン川の川底に金の粒が光っているのを発見した。このニュースはたちまち全米に広まり、一攫千金をもとめて全米から山師たちが殺到、ゴールドラッシュとなった。まだ未開の地だった土地へ、海から陸路から30万人も押し寄せたというから、すごい。小さな開拓地だったサンフランシスコは、このラッシュで一気に大都市になった。
発見の翌年の1849年にカリフォルニアに詰めかけた人がたくさんいたことから、彼らは「フォーティーナイナーズ('49ers)」と呼ばれた。
現在、サンフランシスコのアメリカンフットボール・チームが「フォーティーナイナーズ」と呼ばれるのは、これに由来する。
ちなみに、米国のフットボール・チームは、鉄鋼の町として知られたピッツバーグが、「ピッツバーグ・スティーラーズ(鉄鋼の人たち)」、海に面したマイアミが「マイアミ・ドルフィンズ(イルカたち)」、ニューヨークはジェット機が上空を飛ぶからか「ニューヨーク・ジェッツ」など、ご当地にちなんだ名前で楽しい。
金が発見された当時のカリフォルニアは、まだメキシコの領土だったが、メキシコと戦争中だった米国が占領していた。そして戦争の結果、米国がぶんどってしまった。正式に米国の一州となったのは、1850年のことである。
そんな時代だから、ゴールドラッシュにわきかえる現地は、無法地帯もいいところだった。発見の権利や、土地の権利をめぐる争いは絶えず、また、ここを目指してやってくる途中で事故や病気で生命を落とした者も多かった。
一攫千金を夢見てやってきた人たちのほとんどは、なにも得るところはなかったらしい。
そのとき、そんなに金さがしに踊る人々がおおぜいいるのなら、金さがしに加わるより、その人たちを相手に商売をしたらよかろうと考えたのが、独国出身のユダヤ人実業家、リーヴァイ・ストラウスだった。彼は、ゴールドラッシュで殺到した人々たちのために、丈夫で動きやすい衣服を提供した。ほろ馬車のほろ用の丈夫な布を用い、銅リベットを打ってポケットの端を補強し、虫よけになる青い染料で染めた作業用ズボンを作った(細かな部分については諸説異同あり)。
これがブルージーンズで、たいへん好評でよく売れ、リーヴァイは大成功を収めた。
「リーヴァイス(Levi's・リーヴァイの)」ジーンズはこうしてはじまった。
株式投資のことわざではないけれど「人の行く裏に道あり花の山」である。
(2016年1月24日)
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