2月2日・ジョイスの『ユリシーズ』 | papirow(ぱぴろう)のブログ

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2月2日は、映画女優ファラ・フォーセットが生まれた日(1947年)だが、作家ジェイムズ・ジョイスの誕生日でもある。

ジェイムズ・オーガスティン・アロイジアス・ジョイスは、1882年に、アイルランドのダブリンで生まれた。10人きょうだいのいちばん上だった。
ジェイムズが子どものころ、家運が急速に傾き、ジェイムズは転校や、頻繁な引っ越しを余儀なくされた。ジェイムズ・ジョイスは語学が堪能だったが、若いころから自堕落で、酒びたりの生活を送っていた。
アイルランド脱出を目論んだジェイムズは、22歳のころ、ベルリッツ語学学校の英語教師となり、トリエステ(現イタリア)で語学教師として働きはじめた。
トリエステには10年ほどいて、その後、スイスのチューリッヒに5年ほど、それから約20年間パリに住んだ。そうやって国外生活をつづけながら『ダブリン市民』『若き芸術家の肖像』『ユリシーズ』『フィネガンズ・ウェイク』など、前衛的で、言語実験的な文学作品を書いた。外国暮らししながら、故郷のダブリンの話ばかり書いた。
1940年、フランスがドイツに占領されたため、彼はパリを離れ、チューリッヒにもどった。翌1941年1月、チューリッヒで、十二指腸潰瘍により没した。58歳だった。

20世紀最大の問題小説『ユリシーズ』は、1904年6月16日の1日間にダブリンの街で起きたことを描いた小説である。主人公のユダヤ人ブルームが、頭のなかでいろいろな妄想を思い浮かべながらダブリンの街をさまよう。一方で、彼の妻は浮気相手に熱をあげている。
そういう下世話な筋立てを、ジョイスは「意識の流れ」を追う描き方でつづっていく。ブルームが通りの店の奥さんを見かけると、あの女はいい尻をしているとか、あの女はこんなことがあってなどとブルームは考え、向こうのべつのものに目を移すと、今度はそれについて、ああ、あれは○○だなあ、と考えだす、といった調子で、登場人物の意識に浮かんだことがらを残らず記述していくという、ひじょうに面倒な書き方をしている。

また、ジョイスは『ユリシーズ』の全18章ある各章の文体を、それぞれまったくべつの文体でかき分けるという曲芸のようなことをやっている。
ある章では、句読点なしで何十ページも独白がつづいたり、ある章は教義問答の形式でつづられたり、またある章では古代の英語の文章からはじまり、しだいに時代を進めて、ついには現代の文章にいたって終わるという英語の変遷史が展開されたりといった具合。
章ごとに、色とか象徴するものとか、いろいろなテーマが設定され、全章が配列されているという研究もあるそうだけれど、とにかく、章ごとに文章がぜんぜんちがっている。書店や図書館で英書の『ユリシーズ』を手にとり、ちょっとページをめくってみると、章ごとに字の並びがぜんぜんちがうのにびっくりする。
「ああ、やっぱり、ぜんぜんちがう。すごいなあ」
読まないくせに、英文の字面だけながめてはしきりに感心している、本屋にいる変なやつというのは、自分のことである。
(2015年2月2日)



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