「なんで自殺しちゃいけないと思う?」
と子どもたちに聞くと大抵の子どもは
「親が悲しむから」とか
「友達が悲しむから」と言います。
「じゃー、お父さんお母さん友達のいない人は死んでもいいんだ」と言うと、
「命は大切だから」とどこかで聞いた正解らしきことを言ってきます。
「なんで大切なの?」と聞いても誰も答えられません。
ほとんどの子どもは「なんで自殺しちゃいけないのか」なんて考えたこともありません。
だから、簡単に自殺をしてしまうのです。
「理由の正解なんてないんだけど、
みんなそれぞれ自殺をしてはいけない理由を
自分で考えて
自分なりの答えを
絶対に持ってないと
いけないよ。」
「たとえ、地球上でたった一人ぽっちになったとしても絶対に死んではいけない確かな理由が必ずあるはずだ。
それを自分で考えて見つけてほしい。」
と話します。
「ちなみに先生が考えた自殺しちゃいけない理由は…」と言って決まって取り出すのが…
『はたらく細胞』です。
「先生は生まれた時、未熟児で死にそうになったんだけど、病院の先生や看護師さんたちが一生懸命治療してくれたおかげでこうして生きることが出来たの。
その先生方のことを考えたらどんなに辛いことがあっても自殺なんて申し訳なくて出来ないよ。
大勢の人の努力でせっかく生かしてもらった命だから粗末に出来ないんだよね。」
みんなの体の中には37兆2000億個もの細胞さんたちがいて、
生きろ!って
応援してくれてるの。
私たちが毎日健康に元気でいられるように自分たちの命をも犠牲にして24時間休まず働いてくれているんだよ。
細胞さんたちの努力を踏みにじることは決して出来ない。
私たちの命はこの37兆2000億個の命の犠牲の上に成り立ってるんだから
申し訳なくて絶対に死ねないよ。」
「だから、みんなもせめて頑張っている細胞さんたちにご迷惑をおかけしないように体をいたわって生活しないといけないよ。
暴飲暴食はダメだよ。
お酒もタバコもダメ。
細胞さんたちのお仕事が増えてご迷惑が掛かるでしょ?
せめてお忙しい細胞さんたちのお仕事が少しでも楽になるように協力するの。
勝手なことはしちゃダメ。
チームなんだから。
チームワークが大切なんだよ。」
「この『はたらく細胞』の本には細胞さんたちの日々の活躍と奮闘の様子が書かれているから、この本を読んで細胞さんたちに感謝してほしい。」
「そして、絶対に自殺なんかしないで最後まで細胞さんたちと命を使いきって全うしてほしいの。
それで、いよいよ寿命が来たら細胞さんたちによーくお礼を言って天国に旅立ってください。」
「みんなに心から言いたいのは、どんなに辛くても寂しくてもみんなは1人ぼっちではないってこと。
37兆2000億個の応援団がいつもみんなのことを
生きろ!って
応援して励ましているんだから。
だから生きられるんだよ。」
子どもたちには、どんな形でもいいから生きていてほしい。
何もしなくてもいい。
ただ生きているだけでいい。
いつもそう願っています。