タジキスタンに到着した5月半ばは、ラマダンが始まって間もない頃だった。
ロシア語ではラマダンと発音するが、現地の人々は「ラマザン」と言う。
ラマダンは、イスラム暦9月のこと。「聖なる月」とされているこの一月間、多くのイスラム教徒は日の出前から日没まで、一切飲食を断つ。
ムスリムが多いタジキスタンでも、日中は食事も水も摂らない人が多く、普段はお客さんで溢れかえっているチャイハナも人はまばら。この時期、一時的にお店を閉めるレストランや、改装を行う飲食店もある。
ランチの時間なのに人がいないのを幸い、写真におさめたチャイハナ・ロハトの店内と美しい天井
この時期、睡眠時間を削って食事を摂るためか、日中、眠たげな顔をしている人が多い。
私たちの業務時間は、8時から17時。この時間に合わせて予定を組んでいたが、仕事初日、仕事相手から、「お祈りがあるから、午後の業務開始を20分遅らせて欲しい」と言われ、予定を組み替えた。
大きなモスクでの礼拝がある金曜日には、長めのお昼休みにした。
そのラマダンが、今週終わる。
次の新月の翌日が、「イード」と呼ばれるラマダン明けのお祭りで、今年は6月15日がその日に当たる。
「イード」は正式には、「イード・アル=フィトル」。イードは、アラビア語で祝宴、フィトルは断食の終わりを意味するという。
恐らく、そのイードを祝う準備だろう。昨日は、「バザールでの買い物が間に合わないから、早めに仕事を終えさせてほしい」という要望が出た。
ラマダン明けのお祝いは、盛大に催されると聞く。
きっと、女性では持ちきれないほどの食材を買い込むのだろう。食材の買い出しにも、数日かける。
一家の財布の紐を握っているのは、大黒柱である男性、という家庭も少なくないようで、男性は、支払い係兼ポーターとして付いていくのか。
男性優位のこの国で、奥さんに付き従って買い物をする男性。その光景を思い浮かべただけでも微笑ましくなる。
ラマダン明けまであとわずか。
ラマダンが明けると、ドゥシャンベはまた違う顔を見せるのだろうか。

