「監督、優…いや行岡と一緒でしたか?」
部屋を出るなり榊󠄀はブルースターズ秋鹿の主軸を打つ山崎雅也に呼び留められた。
「あぁ、ミーティングルームに居る。行って慰めてやれ」
榊󠄀はミーティングルームを親指で指した。
「え?監督、何言ったんです?優!」
山崎は榊󠄀に挨拶も忘れてミーティングルームに駆け込んだ。
『いいコンビだ』榊󠄀は思った。
優は夕陽を眺める様に立っていた。
「優、お前監督に何言われた?気にするな。未だ何も俺達の事分かってないんだからな?」
「携帯…」
「携帯?どっかに忘れたのか?」
「監督が何で俺の携帯の事を言ったんだ?」
「監督?あ、お前覚えてないか?」
「何を?」
「消化試合でセーブ失敗した時お前ヘロヘロに酔ってさ。解説で榊󠄀さんも来てて偶然バッタリ。榊󠄀さんの手借りようとしたらお前、振り払って暴れてさ」
「俺が?」
「あん時に携帯落として…榊󠄀さんが拾ってくれて、ビックリしてたな。福嶺さんのを壁紙にしてたろ?優、可愛かったな…5年前か?」