早朝、妻ママチュウの一声で起こされる。
「パパスケ、そろそろかもしれないから準備して!」
昨夜から陣痛は本格的に痛みを増し、間隔も短くなってきたらしい。
いよいよなのか? 慌てて準備する。
果たして今日は、陣痛と戦い続ける日となった。
色々試した結果、腰を親指でぐっぐっと押すと効くらしい。
「もっと強く!もっと外側を!」
ママチュウの指示のもと、必死で押す。
「もっと上! 行き過ぎ!もうちょっとだけ下!」
え、そんなミリ単位でわかるの?
とにかく命じられるがままに押し続ける。
が、陣痛が10分間隔になってきたと思いきや、
少しするとまた間隔が遠いのてしまったりと、なかなか進まない。
うーむ、陣痛って奥が深い……。
結局、僕も丸一日マッサージや身の回りの世話にばたばた。
でも、立ち会いができないのだから、せめてこの期間は。
辛いのはママチュウなのだ。少しでも力にならなければ、
きりのない痛みにママチュウは疲れきっている。
そこで僕はアルカイックスマイル。
「頑張ってなママチュウ。俺も何でもするよ」
「……ありがとうね……助かるよ……」
「当然だろこのくらい。何か要望はないか?何でも言ってな」
「……じゃあ……ババ抜きしよう。今のうちに」
え、Why??
陣痛って恐ろしい。