キーピング・マム - Keeping Mum (2005) | tuttuのブログ

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主にコメディ映画について書こうと思います。
映画好きの方はたくさんいるけれど、コメディ限定って人はあまりいないだろうし。コメディのお勧めを検索してあまり見つからなかったから。
あと、映画の感想とかを語りあいたい。

キーピング・マム - Keepimg Mum (2005) ★★★★  イギリス映画

イギリス人に勧められて、観ることにしました。

観る前はローワン・アトキンソン頼みの映画?と期待しておりませんでしたが、とてもおもしろかったです。

教区牧師の一家に、老齢の家政婦さんがやってくることから物語は展開します。

<キャスト>
老女をマギー・スミス、牧師をミスター・ビーンのローワン・アトキンソン、主婦をクリスティーン・トーマスが演じております。娘役でタムシン・エガートン、綺麗な方なのでブレイクし始めてます。



<あらすじ>

43年前に若い妊婦が蒸気機関車に大きなトランクを持ち込んで旅をしています。そのトランクからベットリと血が流れ出るのを車掌に見つかり、夫とその愛人を殺害したとして逮捕され、裁判の結果、精神医療刑務所に送られてしまいます。

時代は過ぎ、現代に。
小さい田舎の牧師一家はいくつかの細かい問題を抱えています。牧師はユーモアのセンスもない冴えない男で説教を考えるのに忙しく、家庭をかえりみません。その妻はアメリカ人のゴルフインストラクターに惑わされ不倫に走ろうとするし、娘はセックス中毒のようにボーイフレンドをころころと変え、息子は学校で苛められている。おまけに近所のバカ犬は一晩中鳴き続けて毎日が眠れないし、詮索好きのお婆さんはしつこく話しかけてきてウザい。

こんな一家に老いた家政婦が大きなトランクを持ち込み、やって来ます。家政婦がきてから、一家の状況はよくなっていきます。まず、バカ犬がいなくなり安眠出来るようになった。息子に苛めっ子は自転車のブレーキ破損が原因で事故に合い意識不明になった。娘は家政婦の影響で料理に興味を持つようになった。牧師はユーモアを取り戻し、家政婦の指摘した聖書にあるセックスに関する記述を読むことで性欲も戻ってきた。主婦の不倫相手は突然行方不明になった。こうして牧師一家に平穏が訪れますが、家政婦が犬とその飼い主を殺し、不倫相手のアメリカ人まで殺していたことを主婦とその娘は知ってしまいます。なぜ殺さずにいられなかったのか?それは「娘」の幸せの為にせざるを得なかったのだと。つまり、老いた家政婦は主婦の母親だったのです。精神医療刑務所を出所してすぐに、娘に会いたい為に偽名で家政婦として働いていたのでした。

結局は、自分の母親である家政婦を警察に通報することなどせずに家族の秘密として隠しておくのですが、家政婦は迷惑になると悟り、家を出ていきます。

<感想>

殺人シーンなど血生臭い映画ですが、マギー・スミスさんが品のある家政婦を演じているせいでしょうか?非常にきれいな仕上がりになっております。また家政婦の性格がよく、気配りに優れ、家族思いであったからかもしれません。
罪に対して憎悪の感情というよりも、「よくやった!」という必殺仕事人の罪に対する感情に似ています。
いかにもイギリスって感じの風景もきれいです。

コメディとはいえ、ちょっと、いや、かなり哀しい映画ですね。

だいたい最初の殺害は、妻が妊婦中でありながら、愛人と駆け落ちしようとした夫を殺害したもので、(まぁ我々は殺したりせずに耐えるしかしませんが)、同情の余地がありますし。

43年後にようやく出所してきて、実の娘にやっと会えて、娘のために頑張ったのに、家を出て行かないといけないなんて哀しすぎます。

殺人罪でなく過失致死罪で精神鑑定の結果、43年も更生施設で過ごしたのに、短絡的に殺人を犯す性格は全く矯正されていないというのも辛いですなぁ。

まぁ、殺人を犯しておいてハッピーエンドもありませんけどね。

これは、シリアル・ママ(Serial Mom / 1994)と同じストリー展開ですね。
でもシリアルママは中年で精力的だから余り可哀想とは思えませんが。