MINI COOPER S
これまで,ミニには乗ったことがなかった.
けれども,始めから慣れ親しんでいるような気がするから不思議だ.
その古くからあるエンブレム.
インストルメント・パネルの特徴.
リア中央に見えるクロームメッキのエグゾースト・パイプ2本出し.
ミニそのもののアイコンだ.
展示室にあったのは赤のボディーに白い屋根のツートンカラーだったが,試乗車は黒に白の屋根.
スタートは,丸いキーをトレイに置いて,右隣のSTART/STOPボタンを押す.
走り出すと,落ち着いた低音がどっしりした感じで伝わってくる.
軽々しくはない.
重すぎるということもない.
ふうん.これがミニか.
今までに乗ったことのない感覚だ.
BMWとも違う.
「イギリス車ですから・・・」と,同乗の担当嬢が言う.
なるほど,イギリスか・・・
英国車はまだ買ったことがなかったな,そういえば・・・
「ジャガーに試乗したときのことを思い出すな」と,言ってみる.
少しスピードを出してみたり,カーブであまり減速せずに曲がってみたりしてみる.
スポーツカーというより,ゴーカートのよう・・・と,よく言われる所以が分かった.
全長の短かさを直に感じられるような走り・・・
ディズニーのマンガでウサギの主人公がヒョウイヒョイと左右に曲がって走っていくような・・・
この車格で,ダブル・サンルーフが付くのも気持ちよい.
前席のサンルーフはスライドとチルトアップができ,後席のもスライドこそしないがチルトアップできる.
りっぱなものだ.国産車にはこういうサービス精神が弱い.
こういう小さめの楽しい車こそ,こういうサンルーフがほしい.
走ってみた印象は,前に試乗したホンダのCIVIC TYPE-R EUROに一見似ているのだが,中身は,ほとんど正反対の車,という感じである.
どちらもFFだが,R EUROは軽快に吹き上がり,後輪が吸い付いてくる.
MINI COOPER Sはどっしりと吹き上がり,後輪はやや軽い感じで,その点では挙動に不安が出そうなところ,そうでもなく,おもしろく曲がる.楽しい.
これは,二人で楽しむ車だと思う.
愛せる車の1つであることは間違いない.