今月の特徴は菖蒲、薔薇、牡丹などを描いた花鳥版画。蛍狩り、若い男女の初夏の風俗や雨の情景を描いた作品、夏の訪れを感じさせる作品など。
葛飾北斎の黄鳥長春
葛飾北斎の牡丹に蝶
初夏の風に吹かれゆらぐ牡丹と吹き飛ばされれようにバランスをとる蝶、古来中国とは牡丹は富貴の花、蝶は長寿の象徴とされ、この取り合わせは吉祥画題として、様々に描かれてきました。北斎はここに突風を吹かせ、揺れる花を蝶の動きを巧みに表現しました。
鳥居清長の隅田川舟遊び
隅田川で船遊びを楽しむ男女が描かれています。向こう岸には三囲神社の鳥居や源森橋、更に,吾妻橋が見えるので、川の両岸から向島方面を臨む景色でしょう。豪華な屋根船の中には四代目岩井半四郎ら歌舞伎役者が似顔絵で描かれているのも見どころです。
渓斎英泉の江戸名所・両国橋夜景
渓斎英泉の江戸名所・御茶ノ水
渓斎英泉の江戸名所・高名輪沖の景