大画面の奔流 川端龍子「会場芸術」再考 | パパリン日記 2

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川端龍子の作品と言えば大きな画面の圧倒される迫力がある作品です。

この事を会場芸術と言われています。日本画と言えば床の間にかける個人用の作品が主力です。デパートの広い会場に多くの人に見てもらう作品を龍子は会場芸術と言い、多くの人に見てもらう作品(会場芸術)床の間の個人に見ていただく作品を(床の間芸術)と分けて言った。

来年龍子生誕140を迎えるので全国で展覧会が企画されているそうです。

本展は6月9日まで開催中。月曜休館。

 

海鵜

荒波の中で岩場で止まっている海鵜を描いた作品。龍子のこれからの活動をこの大きな波を大衆と芸術の接触、時代性の表現したそうです。

 

伊豆の国

龍子が第二の故郷と親しんだ伊豆をテーマに。伊豆半島,富士山とともに墨彩で力強く表現されています。下のほうに下田へと向かう戦局の不安を4隻の船が描かれています。太平洋戦争の開戦直前となる1941年夏に制作された。黒船来航を想起

させることで、不穏な日米関係といった時代性を表されています。

 

広い会場に大画面の作品に圧倒されます。

海洋を制覇するもの

 

越後 山本五十六元帥像

 

花摘雲

花を摘む天女にあらわされもの。神武天皇即位紀元2600年を国を挙げて祝う展覧会が開催されました。龍子はそれに反発して不参加を表明。軍の嘱託画家として訪れた満州とソ連の国境の平原を描いた本作を青龍展で発表しました。直前にノモンハン事件の壮絶な戦闘があった地を舞台に、龍子が花を摘む天女に表したのは祝福よりも、兵士たちをともらう意味を読み取ることができないでしょうか。

 

横の龍子の自宅だった庭には鶯が鳴いていました。とてものんびり、のどかな空間でした。