今月は秋の月をテーマに絵師は北斎・広重・歌麿・写楽などの人気絵師の作品を展示しています。
砧とは洗濯した布を生乾きの状態で台に乗せ棒で叩いて柔らかくしたりしわを伸ばす道具。
葛飾応為の肉筆画月下砧打美人図
満月に照らされた女性が砧を打つ場面、月夜に砧を打つ図は白居易の詩「聞夜砧」に由来。夫を思いながら砧を打つ妻の情愛を象徴的に表す。
応為は北斎の三女の画号で名前はお栄、北斎がおーいと呼ぶので画号にしたとか。結婚後相手の絵を笑ったり炊事洗濯が出来ず離縁。その後北斎の家で過ごすが晩年は北斎の絵の代作をしていたとか。
北斎の家に出入りしていた渓斎英泉に憧れていたとも。
鈴木春信の縁先物語
磯田湖龍斎の摂津国とう衣玉川 重要美術品
湖龍斎は当初鈴木晴信風の作品を描いていた。パット見は鈴木春信の作品だ。帯を前結びにして砧打ちをする女性の着物を子供が寂しげに引いている。摂津の玉川の典拠、源俊頼の松風の音だに秋は寂しきに衣打つなり玉川の里のパロデイ。
北尾政演の風流近江八景・三井の晩鐘
歌川豊春の浮絵中秋之景月見図
豊春は歌川派の祖。
菱川宗理の月下砧打美人図
葛飾北斎の門人。北斎の宗理の画号を買ったとか?
葛飾北斎の詩嵜写真鏡・木賊刈(とくさがり)
和漢の著名な詩歌を題材とした10枚シリーズ。信濃の国で木賊を刈る老人が、幼くして生き別れた子と出会う謡曲「木賊」を題材にしている。
二代葛飾戴斗の猿橋月夜景
葛飾北斎の門人。この画号も売りつけたとも言われる。
葛飾北斎の雪月花・淀川
葛飾北斎の石山の秋の月 重要美術品